鼻咽腔閉鎖不全症の患者のうち、軽度閉鎖不全症で同意が得られた患者3名に対し、処置を施行し、その経過観察と術後評価を行った。
その結果、2名は短期的には鼻咽腔閉鎖不全の改善を認め、本法が軽度の鼻咽腔閉鎖不全の改善に有効であることが明らかとなった。
3名のうち1名はやせ型であったため脂肪採取が思うようにできず、術前からの改善は認められなかったが、有害事象も認めず、安全性は確認できた。
また、本研究の成果を国際学会（英語での口演：Isomura E, Matsukawa M, Nohara K, Tanaka N, Sugiyama C, Sakai T, Kogo M; Endoscopic soft palate augmentation for improving velopharyngeal insufficiency in patients with cleft palates. ACPA’s 78th Annual Meeting (American Cleft Palate-Craniofacial Association) (oral presentation, 2021.4.28-5.1. USA. online)、および日本口腔外科学会でのミニレクチャー（磯村恵美子 ミニレクチャー講師 ML21「機能修復のための脂肪注入技術」第66回日本口腔外科学会総会・学術大会（2021.11.12-14. 幕張メッセ. オンデマンド配信）で報告した。