2014年
海水準上昇がメガデルタ地域における洪水被害に及ぼす影響の評価
水文・水資源学会研究発表会要旨集
- ,
- ,
- ,
- ,
- 巻
- 27
- 号
- 0
- 開始ページ
- 100011
- 終了ページ
- 100011
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11520/jshwr.27.0_100011
- 出版者・発行元
- 水文・水資源学会
アジアのメガデルタ地域では、将来想定されている温暖化に伴う豪雨の増加と海水準上昇により、洪水リスクが増加することが懸念されている。既往の研究では気候変化を考慮したリスク評価や、地形に基づいて海水準上昇のもたらす影響の評価が行われてきた。しかしながら、デルタにおける河川網が複雑であることや、海水準上昇を洪水シミュレーションに組み込むこと自体の難しさから、温暖化と海水準上昇を考慮した洪水リスク算定はまだ行われていない。そこで本研究では、代表的なメガデルタの一つであるバングラデシュを対象に、海水準上昇と気候変化の双方を考慮し、将来の洪水リスク評価を行った。まず観測値を用いたモデルの妥当性を検証した。図1に、河川流量の検証結果を示す。太い線が観測値、細い線がモデルの計算結果を表している。一部に過小評価が認められるものの、流量のピークや季節変動を十分再現できていることを確認した。次に、現在の気候の下で将来海水準上昇が生じた際に、浸水深がどの程度増加するのかを調べた。上流域では比較的影響は小さいものの、中流域では浸水期間が長く、また河口や海岸域では直接的に影響を受けるなどといった、海水準上昇が浸水深の増加に及ぼす影響の地理的な差異が解明された。将来予測については複数の気候シナリオ・海面上昇シナリオを想定し、それらが浸水面積と洪水被害額の上昇にどの程度の寄与をもたらすのかを算定した。
- リンク情報
- ID情報
-
- DOI : 10.11520/jshwr.27.0_100011
- CiNii Articles ID : 130005481963
- identifiers.cinii_nr_id : 9000347187020