2017年
Si(111)-(√7×√3)-In表面超伝導体上へのCuPc及びF16CuPc吸着による超伝導転移温度変化
日本物理学会講演概要集
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- 巻
- 72
- 号
- 0
- 開始ページ
- 2586
- 終了ページ
- 2586
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(研究会,シンポジウム資料等)
- DOI
- 10.11316/jpsgaiyo.72.1.0_2586
- 出版者・発行元
- 一般社団法人 日本物理学会
<p>Si(111)-(root7xroot3)-Inは表面超伝導を示すが、表面へのドーパント供給等により超伝導転移温度の変調が可能となると考えられる。実際にこれまでに電子アクセプタ性のCuPc分子を添加すると、転移温度が上昇することが報告された。本研究ではよりアクセプタ性の強いF16CuPcの添加を試みる。ここではSi(111)-(root7xroot3)-Inに、CuPc及びF16CuPcを添加した場合の分子配列と電子状態、表面電気伝導を調べ、比較した。STMによればF16CuPc分子はCuPcと同様の分子膜を形成したが、Tcを減少させることがわかった。光電子分光では、F16CuPcの分子軌道はフェルミ準位付近の電子状態を大きく変調しないのに対し、CuPcでは部分的に占有された金属的なLUMOがフェルミ準位に位置しており、系のフェルミ準位の状態密度の増大が見られた。これより、CuPcはドーパントとして機能しているのに対し、F16CuPcは散乱体となっていることが予想される。</p>
- ID情報
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- DOI : 10.11316/jpsgaiyo.72.1.0_2586
- ISSN : 2189-0803