基本情報

所属
独立行政法人国立環境研究所 地球環境研究センター 主任研究員
学位
博士(工学)(京都大学)

J-GLOBAL ID
200901063932881870

外部リンク

アジア地域では様々な人間活動に伴って環境資源が急激に枯渇・劣化・悪化してきており、生態系機能を定量的に評価・予測し持続的発展のための科学的根拠に基づいた政策提言を行うことは非常に重要である。このため、大気・森林・農地・都市・河川・湖沼・地下水・海域等の生態系から構成される環境資源データベースとのインターフェイスを持つ統合型水・物質・エネルギー循環モデルの開発・適用は非常に強力なツールとなりうる。私はこれまでに、東アジア地域の小規模から大規模スケールまでの様々な流域を対象として、地上観測・GISデータ・衛星データ・分布型プロセスモデル(NICE: National Integrated Catchment-based Eco-hydrology model)の統合による水・熱・物質循環の変化に伴う生態系機能の変化を評価・予測する手法の開発を行ってきた。
今後の研究として、植生増殖モデル・都市生産モデルの開発、及び、陸域モデル・大気モデル・海洋モデルの結合によるスケールアップ・スケールダウン相互からの流域生態系の水・熱・物質循環プロセスの解明(乱流モデルとの結合を含む)を予定している。特に、対象とするアジア地域では、都市域が流域の水・熱・物質循環に及ぼす影響は年々大きくなっているため環境と共存・調和した経済発展を目指す必要があり、技術・政策インベントリ及びシナリオと結合したモデルシミュレーションによる評価・予測を行う予定である。
なお、NICEモデルの初期開発段階の詳細については下記をご参照頂きたい。

CGER'S SUPERCOMPUTER MONOGRAGH REPORT Vol.11 (Part I)
-NICEの基礎方程式について(釧路川流域・華北平原)-
http://www.cger.nies.go.jp/publications/report/i063/I063
Part Iでは表面流−地下水間での相互作用を含むオリジナルNICE、及び農業生産モデルとの結合NICE-AGRについてまとめている。
Nakayama, T., Watanabe, M. 2004. Water Resour. Res. 40(8), W08402.
Nakayama, T., Watanabe, M. 2006. Hydrol. Earth Syst. Sci. Discuss. 3, 2101-2144.
Nakayama, T., et al. 2006. Hydrolol. Process. 20(16), 3441-3466.
国立環境研究所ニュース23巻3号
-流域生態系のモデル化によるシミュレーション〜釧路湿原生態系の回復可能性評価〜-
http://www.nies.go.jp/kanko/news/23/23-3/23-3-03.html

CGER'S SUPERCOMPUTER MONOGRAGH REPORT Vol.14 (Part II)
-自然共生・都市再生に向けたNICEのシミュレーション(霞ヶ浦・関東平野・釧路湿原)-
http://www.cger.nies.go.jp/publications/report/i083/i083
Part IIでは湖沼モデルとの結合NICE-LAKE、物質輸送モデルとの結合NICE-MASS、植生遷移モデルとの結合NICE-VEGについてまとめている。
Nakayama, T., et al. 2007. Sci. Total Environ. 373(1), 270-288.
Nakayama, T. 2008a. Ecol. Model. 215, 225-236.
Nakayama, T. 2008b. Forest Ecol. Manag. 256, 1927-1938.
Nakayama, T., Watanabe, M. 2008a. Hydrol. Process. 22, 1150-1172.
Nakayama, T. 2010. River Res. Applic. 26(3), 305-321.
Nakayama, T. 2012a. Hydrol. Process. 26(16), 2455-2469.
Nakayama, T. 2013. Ecohydrol. Hydrobiol. 13, 62-72.

CGER'S SUPERCOMPUTER MONOGRAGH REPORT Vol.18 (Part III)
-アジアの都市域へのNICEの適用事例(華北平原及び黄河下流域・大連市・首都圏)-
http://www.cger.nies.go.jp/publications/report/i103/ja/
Part IIIでは都市キャノピー及び局所大気モデルとの結合NICE-URBANについてまとめている。
Nakayama, T., Fujita, T. 2010. Landscape Urban Plan. 96, 57-67.
Nakayama, T., et al. 2010. Global Planet. Change 73, 172-185.
Nakayama, T. 2011a. Hydrol. Process. 25, 2679-2693.
Nakayama, T., Hashimoto, S. 2011. Environ. Pollut. 159, 2164-2173.
Nakayama, T. 2012b. Water Sci. Technol. 66(2), 409-414.
Nakayama, T., et al. 2012. Hydrol. Process. 26(16), 2431-2444.

CGER'S SUPERCOMPUTER MONOGRAGH REPORT Vol.20 (Part IV)
-中国の長江・黄河流域を含む大陸スケールへ適用事例-
http://www.cger.nies.go.jp/publications/report/i114/ja/
Part IVではNICEの長江・黄河流域への展開、及び三峡ダム及び南水北調プロジェクトに伴う生態系変化予測についてまとめている。
Nakayama, T., Watanabe, M. 2008b. Global Planet. Change 63, 9-22.
Nakayama, T. 2011b. Agr. Forest Meteorol. 151, 314-327.
Nakayama, T. 2012c. Proc. Environ. Sci. 13, 87-94.
Nakayama, T., Shankman, D. 2013a. Global Planet. Change 100, 38-50.
Nakayama, T., Shankman, D. 2013b. Hydrol. Process. 27(23), 3350-3362.
地球環境研究センターニュース24巻9号
-長江・黄河流域における水資源の不均衡及び灌漑と生態系劣化の関連性の評価-
http://www.cger.nies.go.jp/cgernews/201312/277007.html

近年、NICEと既存の複数の物質循環モデルを有機的に結合することで陸域−水域間での炭素動態及び栄養塩との相互作用を内包する新たなモデルNICE-BGCを世界に先駆けて開発している。NICE-BGCを用いることによって、既存研究ではほとんど考慮されてこなかった水域を通した炭素循環の新たな解明、及び既存の炭素収支モデルや研究結果との比較を通した全球炭素循環の高度化を行っている。今後、NICEとNICE-BGCを統合的に用いることによって、人為活動や気候変動に伴う陸域−水域間の連続性を考慮した流域生態系の再評価を行う予定である。
Nakayama, T. 2016. Ecohydrol. Hydrobiol. 16, 138-148.
Nakayama, T. 2017a. J. Geophys. Res. Biogeosci. 122, 966-988.
Nakayama, T. 2017b. Ecol. Model. 356, 151-161.
地球環境研究センターニュース28巻5号
-新たな統合型水文生態系−生物地球化学結合モデルの開発:その1〜陸水が全球炭素循環に及ぼす影響の再評価〜-
http://www.cger.nies.go.jp/cgernews/201708/320010.html
地球環境研究センターニュース28巻5号
-新たな統合型水文生態系−生物地球化学結合モデルの開発:その2〜陸水を通した炭素循環のスケール依存性及び季節変化の評価〜-
http://www.cger.nies.go.jp/cgernews/201708/320011.html

地球環境研究センターニュース22巻8号
-これからの生態系モデルには何が必要なのか?-
http://www.cger.nies.go.jp/cgernews/201111/252005.html
地球環境研究センターニュース23巻1号
-水循環解明のためのリモートセンシングの有効活用に向けて-
http://www.cger.nies.go.jp/cgernews/201204/257002.html
地球環境研究センターニュース25巻8号
-水資源の観点からの湿原の役割について〜ドナウ・デルタの事例〜-
http://www.cger.nies.go.jp/cgernews/201411/288004.html
地球環境研究センターニュース27巻5号
-生態系モデルの新たな進展について〜この5年間を振り返って〜-
http://www.cger.nies.go.jp/cgernews/201608/308001.html

MISC

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