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2017年6月

日本人2型糖尿病患者に対するSGLT2阻害薬ルセオグリフロジンの増量効果の検討 国内第III相52週投与試験の併合解析

Progress in Medicine
  • 佐々木 敬
  • ,
  • 玉置 浩之
  • ,
  • 坂井 荘一
  • ,
  • 寒川 能成

37
6
開始ページ
769
終了ページ
776
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(株)ライフ・サイエンス

SGLT2(sodium-glucose cotransporter 2)阻害薬は、腎臓の近位尿細管に存在するSGLT2を阻害することで、血糖値を低下させる2型糖尿病治療薬である。SGLT2阻害薬ルセオグリフロジンは、本邦において2用量承認されており、通常用量の2.5mgで効果不十分な場合には5mgへの増量が可能である。本検討では、ルセオグリフロジンの国内第III相52週投与試験4試験の併合解析データより、ルセオグリフロジンの増量効果を評価した。ルセオグリフロジン2.5mgが投与された患者のうち、16週時および20週時のHbA1cが連続して7.4%以上、かつ増量しても安全性に問題がないと判断された症例において、24週時に5mgに増量された。その結果、52週時における投与前値(0週時)からのHbA1cの変化量(平均値、以下同)は-0.70%、増量開始時(24週時)からの変化量は-0.27%であり、有意な低下(p<0.001、1標本t検定)が認められた。また、体重においても、52週時における投与前値(0週時)からの変化量は-2.57kg、増量開始時(24週時)からの変化量は-1.03kgであり、有意な低下(p<0.001、1標本t検定)が認められた。安全性の検討においては、非増量群、増量群の52週間における有害事象の発現状況および24週以降の有害事象の発現状況に大きな差はなく、増量時における忍容性が確認された。以上から、ルセオグリフロジン2.5mgで効果不十分な場合、5mgへの増量が有用であると考えられた。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0287-3648
  • 医中誌Web ID : 2017268658

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