MISC

2017年1月

SGLT2阻害薬ルセオグリフロジンの患者背景別にみた血圧への影響 国内臨床試験の併合解析

Progress in Medicine
  • 佐々木 敬
  • ,
  • 玉置 浩之
  • ,
  • 坂井 荘一
  • ,
  • 寒川 能成

37
1
開始ページ
101
終了ページ
109
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(株)ライフ・サイエンス

SGLT2阻害薬は腎臓の近位尿細管に存在するSGLT2(sodium-glucose co-transporter 2)を阻害することで、血糖を低下させる2型糖尿病治療薬である。SGLT2阻害薬は血糖以外に血圧を低下させることが報告されており、糖尿病性大血管症に対する有用性が期待されているが、一方では正常血圧における血圧の低下の懸念もある。そこで本検討ではSGLT2阻害薬投与における血圧への影響を患者背景別に解析した。年齢、性別、eGFRあるいはBMIの背景別では、すべての部分集団において収縮期血圧(SBP)、拡張期血圧(DBP)ともに投与前値から有意に低下した。また降圧薬併用の有無によっても、その低下は影響を受けなかった。SBPの背景別では、130mmHg以上の部分集団ではSBP、DBPともに低下量が大きく、脈圧、平均動脈圧およびDouble Productも有意な低下を認めた。また安全性に関して、有害事象および重篤な有害事象の発現は、SBPあるいはDBP低下が大きい群で発現率が上昇する傾向は認めなかった。以上から、SGLT2阻害薬は高血圧を合併する2型糖尿病患者において、血糖に加えて血圧コントロールに有用である可能性が推察された。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0287-3648
  • 医中誌Web ID : 2017102839

エクスポート
BibTeX RIS