2020年4月 - 2023年3月
脂肪組織由来間葉系幹細胞-造血幹細胞における代謝経路解析:抗加齢作用に注目して
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
造血幹細胞の制御機構の解明は、大きな学術的課題であり鋭意研究がなされている。しかし完全に解明された訳ではない。我々は、脂肪組織由来間葉系幹細胞(ADSC)が骨髄由来間葉系幹細胞(BMSC)よりも造血支持において優れていることを見出した。両者における遺伝子発現の差異を解析することによってどの遺伝子が造血に強く関与しているか同定するのは、容易と思われた。しかしながらこれまでの報告によれば、造血に直接作用するSCFやG-CSFといったサイトカインやVCAM-1等の接着因子の発現量は、ADSCとBMSCにおいて、ほぼ同等であった。そこで代謝経路に着目して解析を進めた。これまでの研究では、骨髄nicheと考えられている間葉系幹細胞(CAR細胞と名付けられている)においては転写因子Ebf3が豊富に発現されており骨芽細胞への分化を防ぐことにより造血支持能を維持することが報告されている。そこで、我々は、まずADSCとBMSCを脂肪細胞ならびに骨芽細胞誘導培地にて培養し分化の程度をvon Kossa染色とオイルレッドO染色にて評価した。BMSCは、脂肪細胞と骨芽細胞に分化したが、ADSCにおいては脂肪細胞への分化は認められたが、骨芽細胞にはほとんど分化しなかった。そこでADSC
におけるEbf3の発現をsemi quantitative PCRにて確認したところ豊富に発現していた。そこでADSCにおけるEbf3をshRNAにてノックダウンして機能の解析を試みた。しかしながら一過性トランスフェクションによるノックダウンはうまく機能しなかった。そのためレンチウィルス等による安定株の樹立を検討している。
におけるEbf3の発現をsemi quantitative PCRにて確認したところ豊富に発現していた。そこでADSCにおけるEbf3をshRNAにてノックダウンして機能の解析を試みた。しかしながら一過性トランスフェクションによるノックダウンはうまく機能しなかった。そのためレンチウィルス等による安定株の樹立を検討している。
- ID情報
-
- 課題番号 : 20K08721
- 体系的課題番号 : JP20K08721