共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

1細胞レベルでのシグナル伝達の時間情報コードの解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
18H03979
体系的課題番号
JP18H03979
配分額
(総額)
44,070,000円
(直接経費)
33,900,000円
(間接経費)
10,170,000円

さまざまな細胞機能や疾患発症に関わるシグナル伝達は、細胞機能の情報を一過性や持続性、周期性などの時間パターンにコードすること(時間情報コード)により多彩な生理機能を制御する。本研究では、生体内において1細胞レベルでのシグナル伝達の時間情報コードを解析する。
本年は1細胞観測において必須な技術である細胞の自動認識手法の開発を行った。まず二値化した時系列画像を足し合わせることによりmyotubeと未分化細胞のこのコントラストを向上した。これによりmyotubeのみを選択的に同定した。Myotubeは多核なのでwatershed segmentationのマーカーとして適さないため、Myotubeの中心領域をmarkerとして用いることでmyotubeの適切な同定を可能にした。myotube間の領域は未分化細胞が占めているので背景領域の同定が難しいため、混合ガウスモデルを用いることで、背景領域を同定することなく背景補正を行った。この手法によりmyotubeの自動認識に成功した。その手法を用いて、個別myotubeのインスリン刺激時S6K活性時系列を定量し、いくつかの時系列の特徴の用量依存性が細胞集団と個別とで異なることを示した。本手法は機械学習のように多くのサンプル数を必要としない点が大きな特徴である(井上ら、Cell Struct Funct. 2018)。また、先行的に理論的な解析を行い、細胞のもつ確率的なゆらぎが逆にロバストな情報コードを実現するのみ役に立っていることを見出した(鳥取ら、Biophys. J, 2019)。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18H03979
ID情報
  • 課題番号 : 18H03979
  • 体系的課題番号 : JP18H03979