2017年4月 - 2020年3月
シマドジョウ種群の繁殖干渉:農環境の変化による稀少種間の同所的繁殖と絶滅リスク
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
本研究の目的は、琵琶湖固有・絶滅危惧種であるビワコガタスジシマドジョウ(コガタ)の減少要因を明らかにし、保全策に応用することである。まず、野外調査により、近縁種のオオガタスジシマドジョウ(オオガタ)成魚の密度が高いと、コガタの産卵が妨げられることを示した。次に、分子生物学的解析により、オオガタ雄がコガタ雌に求愛していることを示した。これらの事実は、この2種間に繁殖干渉が生じていることを示している。最後に、保全策の一つとして、繁殖地内にコガタだけが繁殖することを期待した水田様環境を創出した。この環境創出後の2回(2018年と2019年)の繁殖期でコガタの稚魚が実際に増加したことを確かめた。
- ID情報
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- 課題番号 : 17K07273
- 体系的番号 : JP17K07273