2020年4月 - 2023年3月
競争排除則の再検証.Gauseのゾウリムシ類実験における性の影響.
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
本年度の研究では、ゾウリムシ類の培養条件と増殖の関係を調査し、実証的に競争排除を示したGauseによる実験の再現可能性について検討を行った。
ゾウリムシとヒメゾウリムシを混合して培養すると前者が排除されることを実証的に示したことで著名な研究 (Gause 1934)では、ゾウリムシ類の餌資源として細菌のコロニーの懸濁液を用いていた。しかし、本年度の研究で、現在入手可能な培地材料を用いて同様に培養した場合に、良好な増殖が認められないことを、ゾウリムシParamecium caudatumとヒメゾウリムシParamecium tetraureliaの両種、およびその他の種Paramecium multimicronucleatumを用いた実験で明らかにした。また、培養液中に植物抽出液を含めることで、どの種でも良好に細胞数が増えることも確認した。Gause (1934)と同様の実験系で再現実験を行うことはできないと考えられることから、再現条件は多少異なることを容認する必要があると考えられた。
現在、ゾウリムシ類の培養には、レタス、ダイズ、オオムギ、アカエンドウマメなどの植物の抽出液を培養液として用いることが一般化している。これらのうち、アカエンドウマメの抽出物を用いた培養液を用いることで、各種の増殖が良好であること、観察の妨げとなる沈殿物が少ないこと、培地調整の手間も少ないことなどを確認できた。今後の検証ではアカエンドウマメ抽出液を用いて培養を行うことが効率的であることを予備培養で確かめることができた。
ゾウリムシとヒメゾウリムシを混合して培養すると前者が排除されることを実証的に示したことで著名な研究 (Gause 1934)では、ゾウリムシ類の餌資源として細菌のコロニーの懸濁液を用いていた。しかし、本年度の研究で、現在入手可能な培地材料を用いて同様に培養した場合に、良好な増殖が認められないことを、ゾウリムシParamecium caudatumとヒメゾウリムシParamecium tetraureliaの両種、およびその他の種Paramecium multimicronucleatumを用いた実験で明らかにした。また、培養液中に植物抽出液を含めることで、どの種でも良好に細胞数が増えることも確認した。Gause (1934)と同様の実験系で再現実験を行うことはできないと考えられることから、再現条件は多少異なることを容認する必要があると考えられた。
現在、ゾウリムシ類の培養には、レタス、ダイズ、オオムギ、アカエンドウマメなどの植物の抽出液を培養液として用いることが一般化している。これらのうち、アカエンドウマメの抽出物を用いた培養液を用いることで、各種の増殖が良好であること、観察の妨げとなる沈殿物が少ないこと、培地調整の手間も少ないことなどを確認できた。今後の検証ではアカエンドウマメ抽出液を用いて培養を行うことが効率的であることを予備培養で確かめることができた。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K06830
- 体系的番号 : JP20K06830