共同研究・競争的資金等の研究課題

2004年4月 - 2006年3月

食事由来の脂肪酸とコレステロールが体内の脂質代謝に及ぼす影響

日本学術振興会  科学研究費助成事業  若手研究(B)

資金種別
競争的資金

多価不飽和脂肪酸の中性脂肪低下作用は、肝臓での脂肪酸β-酸化の亢進と中性脂肪合成能の低下によるものと考えられる。著者らはこれまで、肥満とインスリン抵抗性予防の効果を示す魚油がSREBP-1 mRNA及び核内活性型の減少を介し、SCD-1などの脂質生合成関連遺伝子の発現を押さえ、肝臓での脂肪酸やコレステロール合成能を低下させていることを明らかにした ( J. Biol. Chem., Vol.274, 1999) 。また、多価不飽和脂肪酸とコレステロールを同時に添加した食餌を実験マウスに与え、in vivoでのSREBP-1とSCD-1の発現調節を調べた。その結果、多価不飽和脂肪酸によるSREBP-1の核内活性型の発現低下はコレステロール添加により影響されないことが判明した。しかし、多価不飽和脂肪酸によるSCD-1の発現抑制効果はコレステロールの添加により打ち消され、SCD-1の遺伝子やタンパクの発現、酵素の活性が著しく増加していることも明らかにした ( J. Lipid Res., Vol.43, 2002) 。本研究では、このように