論文

査読有り
2016年11月

中心静脈カテーテルからの空気の流入により死亡した空気塞栓症の1剖検例

法医学の実際と研究
  • 粕田 承吾
  • ,
  • 工藤 利彩
  • ,
  • 勇井 克也
  • ,
  • 中田 匡俊
  • ,
  • 今井 裕子
  • ,
  • 中西 真理
  • ,
  • 石谷 昭子
  • ,
  • 國安 弘基
  • ,
  • 羽竹 勝彦

59
開始ページ
41
終了ページ
46
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
法医学談話会

症例は70歳代男性で、1ヵ月ほど前から食事をとれなくなり、2週間前からは水分しか摂取していなかった。3日前に、肺炎と脱水および栄養失調の診断で入院した。右内頸静脈へカテーテル留置され、中心静脈栄養を施行された。ベッド上であおむけになって死亡しているところを発見された。中心静脈カテーテルの三方活栓の接続部が外れている状態であった。死因不詳のため、司法解剖となった。冠状静脈に空気を数珠状に認め、心嚢内に水を満たして右心室を切開したところ、気泡を認めた。大脳、心臓、肝臓、脾臓、膵臓および腎臓など、主要臓器の静脈および肺の動脈では、血管内の血球が空気により円弧状に周囲に圧排され気泡を形成した。気泡周囲には白血球と血小板が集簇した。また、心筋間質の線維化を認め、肺では上葉に限局した炎症細胞浸潤を認めた。死因を空気塞栓症と診断した。

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