論文

査読有り
2016年11月

外表所見に乏しい扼殺の2剖検例

法医学の実際と研究
  • 羽竹 勝彦
  • ,
  • 粕田 承吾
  • ,
  • 工藤 利彩
  • ,
  • 勇井 克也
  • ,
  • 中田 匡俊
  • ,
  • 今井 裕子
  • ,
  • 中西 真理
  • ,
  • 石谷 昭子

59
開始ページ
35
終了ページ
39
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
法医学談話会

症例1は10歳代後半男性で、用水路に仰向けで死亡して発見された。口腔粘膜や顔面の皮膚には溢血点を認めず、頸部の外表には明瞭な圧迫痕は認めないが、左顎下三角部に表皮剥脱を認めた。各臓器のうっ血を認める以外に特変を認めなかった。頸動脈洞周囲には出血を認めず、組織所見においても各臓器にうっ血を認める以外に特変を認めなかった。後日、被疑者が逮捕され、前頸部を背後から右前腕部で腕締めし、ぐったりしたので右手の親指で前頸部左側を圧迫してとどめをさしたと供述した。症例2は70歳代女性で、夫が「妻が死亡している」と介護職員に伝えた。検視時には頸部に切創を認めたが、顔面のうっ血や眼瞼結膜、口腔粘膜や顔面の皮膚にも溢血点は認めなかった。後日、「馬乗りのような状態で右前腕部で前頸部を圧迫したが、死亡したように思えなかったので、とどめで包丁で首を刺した」と供述した。

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