2020年3月
【集中治療医学レビュー 最新主要文献と解説 2020-'21】II章 集中治療における検査・技術 補助循環(ECMO、IABP、Impella)
集中治療医学レビュー
- 巻
- 2020-'21
- 号
- 開始ページ
- 128
- 終了ページ
- 133
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (株)総合医学社
重症ARDSや心原性ショックによる死亡率は依然として高い。Veno-arterial extracorporeal membrane oxygenation(VA ECMO)、intra-aortic baloon pumping(IABP)、Impellaなどのpercutaneous mechanical circulatory support(pMCS)の進歩により、より強力な呼吸循環サポートを迅速かつ容易に行うことが可能になった。そのため、ランダム化比較試験によるエビデンスにいまだ乏しく、血管系の合併症が高いにもかかわらず、このpMCS導入症例は増加しているのが現状である。通常の呼吸管理に反応しない重症ARDS(acute respiratory distress syndrome)に関しては、EOLIAスタディおよびveno-venous ECMO(VV ECMO)の経験の蓄積に基づいて、ガイドラインではP/F<80の重症例では、VV ECMOの導入を考慮、とされている。心原性ショックに対するpMCSについては、これまでVA ECMOとIABPが主であったが、Impellaの登場により大きく変化してきた。同時に、VA ECMOにおける左心室拡張がクローズアップされ、左心室unloadingの重要性が強調されるようになった。また、移植あるいは移植を目的としたより長期型デバイスに移行するためのbridge to transplant、bridge to bridgeの使い方も一般的となってきた。(著者抄録)
- ID情報
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- ISBN : 9784883786831
- 医中誌Web ID : 2020189212