2008
呼吸器疾患の温泉療法ー25年間の入院症例2762例を対象にー
岡大三朝医療センター研究報告
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- Volume
- 76
- Number
- 76
- First page
- 1
- Last page
- 11
- Language
- Japanese
- Publishing type
- Publisher
- 岡山大学医学部・歯学部附属病院三朝医療センター
1982〜2006年に著者等の施設にて入院加療し温泉療法を施行した呼吸器疾患患者2762例を対象に5年ごとに区分、対象の疾患を気管支喘息1578例(57.1%)・COPD652例(23.6%)・その他532例(19.3%)に区分して比較検討した。その結果、気管支喘息症例では第1期(1982〜1986年)は平均11.4例/年であったが第4期(1997〜2001年)には93.0例/年・第5期には70.4例/年と大幅に増加していたが、その内に占めるステロイド依存性重症難治性喘息(SAID)の比率は第1期の68.4%から第4期は29.0%・第5期(2002〜2006年)は24.1%まで低下する傾向がみられた。COPD症例では第1期は5.2例/年から第4期は45.4例/年・第5期は47.4例/年と急増しており、そのうちで肺気腫の占める比率は第1期の19.2%から第4期は76.7%・第5期は78.9%と明らかに増加していた。気管支喘息とCOPD症例の年齢別検討では60歳以上の割合が第1期は30.1%であったのに第4期は68.0%・第5期は85.1%と年々その頻度が高くなる傾向がみられた。以上より、過去25年間の推移から温泉療法を必要とする呼吸器疾患患者は増加しており、その高齢化傾向が示唆された。
- ID information
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- ISSN : 1348-1258
- Ichushi Web ID : 2008264301