2016年3月
多収で直播栽培向きの良食味水稲品種「ちほみのり」の育成
東北農業研究センター研究報告
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- 巻
- 118
- 号
- 118
- 開始ページ
- 37
- 終了ページ
- 48
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(大学,研究機関等紀要)
- DOI
- 10.24514/00001291
- 出版者・発行元
- 東北農業研究センター
「ちほみのり」は、2005年に東北農業研究センターにおいて「奥羽382号(のちの「萌えみのり」)」に「青系157号」を交雑した雑種後代から、東北農業研究センターで選抜し、育成した多収で直播栽培向きの良食味水稲品種である。「奥羽416号」の地方名で栽培特性・品質特性を検討し、優秀性が確認されたため、2014年に品種登録出願を行った。この品種の育成地(秋田県大仙市)での標肥移植栽培における特徴は、出穂期は「あきたこまち」より3日程度早く、成熟期は「あきたこまち」より2日程度早く、東北地域では"かなり早"に属する。稈長は「あきたこまち」より13cm程度短く、穂長は「あきたこまち」と同等かやや短い、穂数は「あきたこまち」よりやや多い。草型は"偏穂数型"である。倒伏は「あきたこまち」より明らかに少なく、耐倒伏性は"強"である。精玄米収量は「あきたこまち」より約11%多い。玄米は「あきたこまち」と比較して粒長がやや長く、粒幅がやや狭く、粒厚は同程度である。玄米の外観品質は「あきたこまち」と同等である。白米のアミロース含有率、玄米のタンパク質含有率は、「あきたこまち」と同程度である。炊飯米は「あきたこまち」と同程度で良食味である。いもち病真性抵抗性遺伝子型は"Pia, Pii"と推定され、葉いもち圃場抵抗性は"強"、穂いもち圃場抵抗性は"やや強"である。縞葉枯病に"罹病性"で、白葉枯病圃場抵抗性は"やや弱"、穂発芽性は"やや易"である。障害型耐冷性は"中"である。「ちほみのり」は稈長が短いため、多肥移植栽培、直播栽培においても倒伏はほとんど認められず、「あきたこまち」より直播栽培で多収であるため、直播栽培に適し、良質で低価格の業務用米用途に適すると考えられる。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.24514/00001291
- ISSN : 1347-3379
- CiNii Articles ID : 120006586434
- CiNii Books ID : AA11655277