研究ブログ

2019/08/13

岩国徴古館蔵・元禄8年刊『新撰古筆手鑑』画像PDF試験公開

Tweet ThisSend to Facebook | by Hideo Kuboki
先頃、拙論「元禄八年刊『新撰古筆手鑑』―古筆の摸刻資料その一―」が『日本文学研究ジャーナル』9号(2019年3月、古典ライブラリー)に掲載されました。

その際取り上げた、岩国徴古館蔵『新撰古筆手鑑』上中下3冊本の、表紙を含めた全丁の画像につき、このたび各冊ごとにPDFファイルにしましたので、このマイポータルの「資料公開」機能を使い、試験公開してみます。念のためURLも載せておきます。

https://researchmap.jp/read0085872/%E8%B3%87%E6%96%99%E5%85%AC%E9%96%8B/

このような形での公開につき、ご許可下さいました岩国市教育委員会、また閲覧・撮影から論文への引用、画像公開に至るまで、種々ご高配賜りました岩国徴古館に厚く御礼申し上げます。
(本来は、拙論の公刊と同時期に公開する予定でしたが、諸事繁多により、数ヶ月も遅れる結果となりました。失礼しました)

ちなみに『新撰古筆手鑑』という整版本に関しては、詳しくは拙論に譲りますが、和漢の古筆複数を集め、伝称筆者を添えながら忠実に摸刻したとみられる資料です。元禄8年(1695)の刊記を持った、上中下の3冊本です。

これまで具体的に取り上げることがほとんどなく、また伝存も稀のようであり、現時点で私が確認できているのは、岩国徴古館蔵・吉川家寄贈図書中の1本(資料番号1211000038)と、大阪府立中之島図書館蔵・石崎文庫中の1本(請求記号石崎924/2)の、計2本のみという状況です。

そこで上述の拙論で、岩国徴古館蔵本に基づきながら、書誌・内容の概説と、摸刻されている古筆資料の一部について、図版や翻刻を掲げつつ、紹介と考察とを行いました。

ただしその際、さすがに3冊分の全点までは紹介できませんでした。そのため拙論の中でも予告しておいたとおり、岩国徴古館本・上中下3冊の表紙を含めた全丁の画像を、researchmap・マイポータルの「資料公開」機能で試験公開してみることを思いついた、という次第です。

長くなってしまいますが、あと数点ほど申し添えます。

・あくまで個人でご利用の、ご参照程度の画像、ということでご理解下さい。
本PDFからの転載は、全体でも一部分でも、恐れ入りますがご遠慮下さい。ご利用等をご検討の場合は、ご所蔵先の岩国徴古館にお問い合わせ下さい。

・今回試みるような、カラーでの全丁公開などは、撮影当時(2007年)まったく考えていませんでしたので、画像として、あまり見栄えのするものではありません。
そもそもがデジタルカメラの機能に頼っただけの素人撮影ですので、基本的にはピントが合っていて、内容が分かれば十分、というような画像です。

・またそのような事情から、トリミングをやや大きめ(強め?)にせざるを得なかった画像もあります。内容理解にまで影響が及ぶものではありませんので、その点どうぞご理解下さい。

・加えて、データのアップロードの容量制限(10MBまでの由)のため、「資料公開」に置いてあるデータは、サイズをやや小さめにしてあります。判読できる範囲とは思われますが、元画像に較べての粗さは否めません。致し方のないところですので、その点もどうぞご理解下さい。

・今回PDF化の画像処理をしていて、上述の拙論で、もう少し触れておいた方がよかったかも、という書誌情報いくつかがありました。いずれ補訂等を行いたいと考えています。

・また本ブログの内容にも、公開後、若干手を加えたりする場合もあります。あわせてご了承下さい。

以上です。
私自身、中古中世文学に関する仮名資料以外の、和漢の書の古典や名品・遺品といったものに、全く詳しくありませんので、ご専門・ご関心の方々にご覧いただければ、何かまた発見される可能性が?などと考えたりもしています。
どなたかの、何かのお役に立つようでしたら幸いです。
2018/12/23

『散佚歌集切集成 増訂第二版』ver.2(修正版)について

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2009~2012年度の科研・基盤Cの研究成果として作成した、『散佚歌集切集成 増訂第二版』ver.2のpdfファイルをここに掲載しておきます。
(researchmapの「資料公開」の方にも登録しておきます)

散佚歌集切集成・増訂第二版ver.2.pdf

この資料集は、『新編国歌大観』『新編私家集大成』に未収録の、中古中世和歌の本文資料、約1,000首分を翻刻掲載したものです。

以前公開していたHPは、本年度の所属先変更に伴い削除しましたので、しばらく非公開状態が続いており、気になっていました。

と同時に、先般、ミス1点に気が付きましたので、修正版を作成・公開し、告知する必要も生じてきました。

具体的には、『古筆手鑑大成 第七巻 あけぼの(下) 梅沢記念館蔵』(1986年8月、角川書店)所収・№115・伝寿暁筆の未詳歌集断簡につき、『拾葉和歌集』(伝津守国冬筆)という中世散佚私撰集断簡のツレであり、一部分であるとして、(2)という断簡番号、3~5という歌番号を割り当てた、というところ(P26)です。

先般、あらためて点検してみた結果、確かに似てはいるものの、書式・筆蹟などが異なっており、ツレとしたのは誤認であった、と判断するに至りました。

今回のver.2では、本文自体は削除せず、(2)を丸ごと【備考】の方に移動させるということで、他の『拾葉和歌集』の断簡と区別する、という処置をとりました。
都合上、各番号はそのままとしてあります。
また見出しなどから、伝寿暁筆、という情報も削除しました。
ほか「はじめに」に「追記」を加え、奥付も修正しました。

これらはあくまで暫定的なものであり、いずれ『増訂第三版』を作成する際に、全面的な修正を施したいと思っています。
(もっとも、いつになりますか…)

なお、この『増訂第二版』の本文データは、株式会社古典ライブラリー運営の『日本文学Web図書館』にも無償提供してあり、『新編国歌大観』『新編私家集大成』と共に横断検索できるようになっています。
そちらのデータも、すでに修正は済ませていただいてあります。

ちなみに、年明け1月12日(土)の和歌文学会例会で「拾葉集・続現葉集・新浜木綿集・浜木綿集―中世私撰集の一傾向―」という発表を行いますので、本件については、その発表中でも触れる予定です。

ともあれ、自身の認定ミスで、誤ったデータを提供し続けていた、ということになりますので、まことに申し訳なく、お詫びする次第です。
2018/12/23

試しに開始

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日本中古中世文学に関する古典籍・古筆切(こひつぎれ。古写本を分割した断簡です)の文献学・書誌学的研究を専門としている者です。
若干の今さら感もありますが、試みに研究ブログを始めてみます。一応の事情(?)は以下のとおりです。

昨年度まで所属していた鶴見大学のサーバ上で、『散佚歌集切集成 増訂第二版』(2012年9月、科研・基盤Cの研究成果の一部です)という、中古中世和歌に関する本文資料集のPDFファイルを無償公開していました。
が、本年度、日本大学への転任に伴い、公開していたHP自体を削除しましたので、あらためてどこかで公開を、と考えていました。

かつ先般、その『散佚歌集切集成 増訂第二版』に、ひとつミスのあることに気がつきました。
詳しくは次の記事で述べますが、未詳歌集の古筆切1点の認定に誤りがあった(と判断された)、というものです。

そこで、取り急ぎ修正版を作成・公開する必要が生じてきましたので、ではresearchmapのブログ機能・資料公開機能を使ってみるか、と思い立ったという次第です。

また、せっかくブログを始めるならば、これまでに紹介してきた原本資料類のカラーデジタル画像の掲載(紙媒体では基本モノクロで、サイズも小さめとなりますので)などなど、いろいろ実験的に行ってみたいという気もしています。

と書きつつも、筆無精ですので、次回限りで放置するかもしれません。
また、大体いつも時間がないので、更新していくにしても、けっこうな間隔となってしまうかもしれません。
そのあたりは、まあゆるやかに、と思っています。