共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年7月 - 2023年3月

好酸球に種類はあるのか

日本学術振興会  科学研究費助成事業  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
21K19559
体系的課題番号
JP21K19559
配分額
(総額)
6,500,000円
(直接経費)
5,000,000円
(間接経費)
1,500,000円

好酸球は酸性エオシンで顆粒が赤く染色される免疫担当細胞で、多くのアレルギー疾患の炎症部位に集積する。集積した好酸球は、慢性炎症やリモデリング形成において主要な役割を担っているとされる。好酸球の組織への影響は顆粒放出(脱顆粒)による細胞障害やエフェクター細胞として血小板、マスト細胞の活性化、また、次亜塩素酸を産生することで細菌や寄生虫の殺傷に寄与するなど多岐に渡る。さらに、好酸球はアポトーシスやネクローシスと異なるプログラム死、Etosis (extracellular trap cell death)で終えることが判明し、このEtosisがアレルギー炎症の増悪に関与していると考えられている。本研究では、組織に強い好酸球浸潤を起こしている好酸球と末梢血中の好酸球は同じであるのか、違った組織に浸潤している好酸球も同じであるのか、好酸球は単一でT細胞のように種類がないのかをSingle-cell RNA-seqを用いて明らかにする。
好酸球性副鼻腔炎患者の鼻茸と好酸球性副鼻腔炎に合併している好酸球性中耳炎患者の耳茸からそれぞれ好酸球を分離した。同時に末梢血単核球細胞から好酸球を分離し、single cell RNA-seqを行った。そして同一患者の鼻茸組織中好酸球、耳漏中好酸球、末梢血中好酸球を対象にそれぞれ解析し、比較した。56種の転写因子、Ikaros family membrane、好酸球の機能(細胞内顆粒)、生存、増殖、サイトカイン産生、ケモカイン産生、ETosis関連、不飽和脂肪酸代謝酵素産生、凝固系線溶系の関連遺伝子発現および細胞集団のheterogeneity等に違いがみられた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K19559
ID情報
  • 課題番号 : 21K19559
  • 体系的課題番号 : JP21K19559