2018年4月 - 2021年3月
軟組織疾患の予防・治癒促進に寄与するカルシウムイオン徐放性歯科材料の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本年度は①カルシウム放出ガラスの作成②Ca9-22細胞を用いてCaイオンの細胞接着に対する影響の調査③カルシウムイオン放出ガラスを用いたグラスアイオノマーセメントの炎症抑制効果をラットの動物実験で確認の研究にとりかかった。
①SiO2, Al2O3, CaF2, NaF, AlPO4を原料としてCa放出性フルオロアルミノシリケートガラスを作製した。このガラスはポリアクリル酸水溶液と反応し、グラスアイオノマーセメントを作製できることを確認した。
②細胞でのCaイオンの細胞接着に対する影響の確認を行った。培養したCa9-22細胞をTrypsin-EDTAにより細胞接着を消失させた。その後、PBS溶液に0.1mMCaCl2を加えた溶液で処理したところ、PBS溶液のみの処理に比較して、Ca9-22細胞の大きな固まりが出現した。このことからCa9-22細胞に対してCaイオンが細胞接着に影響を有することが確認できた。
③ラットの上顎臼歯1番に絹糸を巻き付け1週間放置した。1週間後骨吸収を起こし、歯肉部は炎症を有していた。そこで、この歯周炎モデルを本実験で採用可能と判断した。一方、このモデルに適応するグラスアイオノマーセメントの作製を試みた。作製したCa放出性のフルオロアルミノシリケートガラスを用いてCa徐放性の光硬化型グラスアイオノマーセメントを試作した。この光硬化型グラスアイオノマーセメントはCaを放出しながらも歯質に接着し、ラットの臼歯に適応できることを確認した。試作した光硬化型グラスアイオノマーセメントを用いて、8週齢のラットのエナメル質に塗布し、何も処置しない反対側と比較した。ラット口腔内で1か月間の塗布期間を置き、1か月後に骨吸収の程度を比較した。カルシウム放出ガラスを用いた光硬化型グラスアイオノマーセメントを塗布した群では、有意差はないものの骨吸収が抑えられる傾向にあった。
①SiO2, Al2O3, CaF2, NaF, AlPO4を原料としてCa放出性フルオロアルミノシリケートガラスを作製した。このガラスはポリアクリル酸水溶液と反応し、グラスアイオノマーセメントを作製できることを確認した。
②細胞でのCaイオンの細胞接着に対する影響の確認を行った。培養したCa9-22細胞をTrypsin-EDTAにより細胞接着を消失させた。その後、PBS溶液に0.1mMCaCl2を加えた溶液で処理したところ、PBS溶液のみの処理に比較して、Ca9-22細胞の大きな固まりが出現した。このことからCa9-22細胞に対してCaイオンが細胞接着に影響を有することが確認できた。
③ラットの上顎臼歯1番に絹糸を巻き付け1週間放置した。1週間後骨吸収を起こし、歯肉部は炎症を有していた。そこで、この歯周炎モデルを本実験で採用可能と判断した。一方、このモデルに適応するグラスアイオノマーセメントの作製を試みた。作製したCa放出性のフルオロアルミノシリケートガラスを用いてCa徐放性の光硬化型グラスアイオノマーセメントを試作した。この光硬化型グラスアイオノマーセメントはCaを放出しながらも歯質に接着し、ラットの臼歯に適応できることを確認した。試作した光硬化型グラスアイオノマーセメントを用いて、8週齢のラットのエナメル質に塗布し、何も処置しない反対側と比較した。ラット口腔内で1か月間の塗布期間を置き、1か月後に骨吸収の程度を比較した。カルシウム放出ガラスを用いた光硬化型グラスアイオノマーセメントを塗布した群では、有意差はないものの骨吸収が抑えられる傾向にあった。
- リンク情報
- ID情報
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- 課題番号 : 18K09645
- 体系的課題番号 : JP18K09645