2017年4月 - 2020年3月
食品原料ブラッククミンの抗菌・口臭抑制効果と作用機作解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
「目的」:古くから民間の食材や香料として用いられてきたブラッククミン(Nigella sativa)の精油(BC)およびその主成分チモキノン(TQ)に着目し、口臭原因成分のメチルメルカプタンに対する消臭活性と口臭産生菌に対する抗菌活性を報告してきた。しかし、口臭産生菌を含むバイオフィルムに対する抗菌効果についての検討はまだ十分な検証はされていない。本研究では口臭産生菌として、Fusobacterium nucleatum(Fn)を含む、バイオフィルム(BF)の作製を試み、BC、TQおよび殺菌剤CPCのBFへの殺菌・除去効果について検討した。
「結果」:Fnは単独でのBF形成は低かったが、口腔内初期定着細菌であるActinomyces naeslundii(An)と共培養することにより強固なバイオフィルムを形成した。また、Fnをう蝕原因菌のStreptococcus mutansが産生するメンブランベシクル(MV)と共存下で培養することにより、同様にBFを形成することができた。
前者の方法で作製したBF形成試験で、0.05%BC、0.01%TQは、BF形成を抑制したが、0.01%CPCは形成抑制が認められなかった。後者の方法で作製したBFに対するBCおよびCPCの殺菌浸透効果を共焦点レーザー顕微鏡で調べた結果は、0.01%BCと同濃度のCPCともに高い浸透殺菌効果を示した。
「結論」:以上の結果から、BCは、口臭産生細菌を含むBFに対して、BFの形成阻害を示すとともに、浸透殺菌効果を示したことから、口臭抑制に有用な天然物シーズであると思われた。
「結果」:Fnは単独でのBF形成は低かったが、口腔内初期定着細菌であるActinomyces naeslundii(An)と共培養することにより強固なバイオフィルムを形成した。また、Fnをう蝕原因菌のStreptococcus mutansが産生するメンブランベシクル(MV)と共存下で培養することにより、同様にBFを形成することができた。
前者の方法で作製したBF形成試験で、0.05%BC、0.01%TQは、BF形成を抑制したが、0.01%CPCは形成抑制が認められなかった。後者の方法で作製したBFに対するBCおよびCPCの殺菌浸透効果を共焦点レーザー顕微鏡で調べた結果は、0.01%BCと同濃度のCPCともに高い浸透殺菌効果を示した。
「結論」:以上の結果から、BCは、口臭産生細菌を含むBFに対して、BFの形成阻害を示すとともに、浸透殺菌効果を示したことから、口臭抑制に有用な天然物シーズであると思われた。
- リンク情報
- ID情報
-
- 課題番号 : 17K12032
- 体系的課題番号 : JP17K12032