2016年3月4日
わが国の通常の学校における特別支援教育に関する判例動向 : インクルーシブ教育への示唆
岡山大学教師教育開発センター紀要
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- 巻
- 6
- 号
- 開始ページ
- 31
- 終了ページ
- 37
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.18926/CTED/54018
- 出版者・発行元
- 岡山大学教師教育開発センター
本稿では,わが国における特別支援教育システムの構築に示唆的な近時の裁判例を要約し,新たな動向を把握することを試みた。具体的には,特別支援教育をめぐる裁判のなかでも,①通常の学校における特別支援教育の問題を争点に含むもの,②過去10年間(2005年以降)に判決が下されたもの,を条件として5つの裁判例を抽出した。それらの裁判における主な経緯や争点の評釈から,通常の学校における特別支援教育が推進されるとともに,多様な教育課題が誘発されており,新たな争点も生じていることが明らかとなった。すなわち,情報開示の範囲,就学先の決定,教員の専門性,学校の情報共有体制といった実践的課題が提起されており,障害のある児童生徒および保護者の権利を重視する判断が示されてきた。「障害者の権利に関する条約」の批准をふまえ,インクルーシブ教育の実現に向けた特別支援教育システムのいっそうの発展が望まれる。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.18926/CTED/54018
- ISSN : 2186-1323
- CiNii Articles ID : 120005723286