2020年4月 - 2023年3月
分化小惑星上の水から読み解く太陽系衝突の歴史
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
地球型惑星や分化小惑星には、液体の水、氷、含水鉱物などとして水が存在している。これらの水は、雪線以遠で形成された水に富む太陽系内小天体(氷天体や炭素質コンドライト母天体が、その水を保持したまま衝突したことにより獲得されたと考えられている。 直径 100 km以上の分化小惑星に現存している水は、その存在量を明らかにすることによ って、木星型惑星の動径方向移動に伴う小天体のミキシングを読み解くトレーサーになり得る。そこで本研究では、衝突によってもたらされた水が分化小惑星の表層に取り込まれ得る量を室内衝突実験から明らかにし、その結果を天文観測データと組み合わせることにより、分化小惑星上における水に富む太陽系小天体の衝突量の導出を行う。
分化小惑星模擬物質に対して、室内衝突実験にて、含水鉱物・氷の衝突を模擬する実験を行い、衝突前後にフーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)にて分光計測を行う。衝突角度や衝突飛翔体物質を変化させ、分化小惑星模擬物質に残る水の量を調べる。また、天文観測にて推定される分化小惑星表層の水の量と、実験により判明した残存する水の量を組み合わせて解釈することにより、衝突進化モデルで考えられている衝突頻度に占める炭素質コンドライト母天体小惑星、または彗星などの氷天体の割合を推定する。
今年度は計測機器のFTIRの整備を行った。整備を行うことによって、0.4(可視光)から10ミクロン(中間赤外線)までのスペクトル取得が行えるようになった。
分化小惑星模擬物質に対して、室内衝突実験にて、含水鉱物・氷の衝突を模擬する実験を行い、衝突前後にフーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)にて分光計測を行う。衝突角度や衝突飛翔体物質を変化させ、分化小惑星模擬物質に残る水の量を調べる。また、天文観測にて推定される分化小惑星表層の水の量と、実験により判明した残存する水の量を組み合わせて解釈することにより、衝突進化モデルで考えられている衝突頻度に占める炭素質コンドライト母天体小惑星、または彗星などの氷天体の割合を推定する。
今年度は計測機器のFTIRの整備を行った。整備を行うことによって、0.4(可視光)から10ミクロン(中間赤外線)までのスペクトル取得が行えるようになった。
- ID情報
-
- 課題番号 : 20K04055
- 体系的課題番号 : JP20K04055
この研究課題の成果一覧
絞り込み
論文
1-
The Astrophysical Journal Letters 924(1) L9-L9 2022年1月1日 査読有り
講演・口頭発表等
10-
令和5年度宇宙科学に関する室内実験シンポジウム(オンライン) 2024年2月20日
-
天体の衝突物理の解明(XIX) 2023年11月1日
-
日本惑星科学会2023年秋季講演会 2023年10月
-
日本地球惑星科学連合2023年大会 2023年5月24日
-
日本地球惑星科学連合2023年大会 2023年5月23日
-
天体の衝突物理の解明 (XVIII)~表層粒子から探る太陽系天体の進化~(ハイブリッド)
-
JpGU meeting 2022 (Hybrid & Online) 2022年6月2日
-
令和3年度 宇宙科学に関する室内実験シンポジウム 2022年3月1日
-
日本惑星科学会秋季講演会 2021年9月18日
-
Japan Geoscience Union Meeting 2021, online 2021年6月4日