共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

衝突残留磁化を用いて探る惑星磁場の初期進化史

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
21H01140
体系的課題番号
JP21H01140
配分額
(総額)
17,940,000円
(直接経費)
13,800,000円
(間接経費)
4,140,000円

本研究では,実験により衝突残留磁化強度分布モデルを構築し,そのモデルを使って,地球型惑星の衝突盆地上空で人工衛星により観測された惑星磁場強度記録を読み解き,地球型惑星の磁場強度進化を復元する.そのために研究期間内に,(1)衝突残留磁化着磁実験,(2)衝突実験試料の残留磁化分布測定,(3)衝突磁化強度分布モデルの作成,(4)衝突盆地上空での人工衛星による磁場観測データ取得・解析,を実施する.そして項目3と4の成果を合わせて,(5)衝突イベント時の古惑星磁場強度を復元する,という研究計画である.2021年度までの研究において,以下の成果が得られている.細粒なチタン磁鉄鉱を含む玄武岩試料を用いて衝突磁化着磁実験および回収試料の細分化・残留磁化測定を行い,衝突残留磁化の残留磁化強度および残留磁化安定性が衝突点からの距離に応じて系統的な変化をする事が確認された(上記項目1と2に対応).衝突計算コードを用いて衝突実験時に玄武岩試料が経験した温度・圧力変化を計算して磁気測定の結果と比較する事で,衝突残留磁化と温度・圧力変化の対応関係を得ることに成功した(Sato et al. 2021, GRLで成果報告).予察的な解析から,衝突残留磁化強度を衝撃波伝搬時の温度・圧力変化の関数として表現できる可能が示された(項目3に対応).人工衛星による磁場観測データとして,月(かぐや,LP),火星(MGS,MAVEN),水星(MESSENGER)の磁場観測データを解析用に取得し,クレーター周辺での衝突残留磁化の痕跡を検討するための解析環境の整備を行った(項目4に対応).

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21H01140
ID情報
  • 課題番号 : 21H01140
  • 体系的課題番号 : JP21H01140