2018年4月 - 2022年3月
顎顔面領域骨代謝性疾患におけるエピゲノム制御による新規骨リモデリング機構の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
- 課題番号
- 18H03011
- 体系的課題番号
- JP18H03011
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
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- (総額)
- 17,290,000円
- (直接経費)
- 13,300,000円
- (間接経費)
- 3,990,000円
これまでの申請者らの予備検討でマクロファージをRANKL刺激後にAsxl1の発現が急激に上昇するというデータを得ており、破骨細胞への分化・活性化の過程でAsxl1が極めて重要な役割を果たしていることが示唆されることよりRANKLシグナルとAsxl1との関係を詳細に解析する。一方で、Asxl1の発現がどのように調節されているのか、またその調節に関与する因子の本体についてもよく判っていない。さらに、Asxl1の直接のターゲットであるBaP1、Ezh2、あるいは核内ホルモンレセプターとの結合と破骨細胞分化に関する研究も実施した。その結果、Asxl1をノックダウンしたマクロファージではRANKL刺激により破骨細胞形成能の著しい亢進がみられ、また細胞内シグナル伝達においてリン酸化Akt、MAPキナーゼの一つであるリン酸化p38、NF-κBのサブユニットであるリン酸化p65、リン酸化IκBαの亢進を認めた。一方でBaP1をノックダウンしたマクロファージでは破骨細胞形成の著しい減少がみられ、NFATc1、Integrin β3、c-Src、Cathepsin Kなどの破骨細胞分化マーカー及びRANKLによるリン酸化Akt、リン酸化IκBα、リン酸化JNKの発現が著しく減弱していることが明らかとなった。破骨細胞形成には2つのサイトカインRANKL、M-CSFが必須であることが知られているがAsxl1、BaP1をノックダウンしたマクロファージではコントロールと比較してM-CSF刺激においては細胞内シグナル伝達に差がみられなかった。これらの結果よりAsxl1はブレーキ役、BaP1はアクセルとして分子複合体を形成しミエロイド系マクロファージから破骨細胞の分化に重要な役割を果たすことが示唆された。
- ID情報
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- 課題番号 : 18H03011
- 体系的課題番号 : JP18H03011
この研究課題の成果一覧
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受賞
2論文
3-
BioFactors 47(6) 992-1015 2021年8月21日 査読有り
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International Journal of Molecular Sciences 22(16) 8992-8992 2021年8月20日 査読有り責任著者
講演・口頭発表等
1-
第80回 日本矯正歯科学会学術大会 一般演題(ポスター発表)優秀演題賞受賞 2021年11月5日