共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

内臓脂肪解析と次世代血管分子イメージングを基盤とした新規予防戦略の構築

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
17K09502
体系的課題番号
JP17K09502
配分額
(総額)
3,900,000円
(直接経費)
3,000,000円
(間接経費)
900,000円

2017年度に引き続き、免疫染色およびリアルタイムPCR法による心外膜下脂肪組織(EAT)の分子生物学的解析を進め、臨床画像所見との比較検討を進めた。冠動脈CT画像において検出されるハイリスクプラーク(低CT値、血管リモデリング)がEATの炎症、微小血管新生の亢進を予測する独立した因子であることを見出し、EATの病理組織学的活性と冠動脈硬化症進展の密接な関係を示す新たな知見と考えられ、英文誌(Heart and Vessels誌)に報告した。また、EATにおけるレプチンおよびIL-1βのmRNA発現レベルを検証した。その結果、特にIL-1βの発現レベルが冠動脈ハイリスクプラークと相関していることが示唆された。現在、学会発表および論文化に向けて解析を進めている段階である。
18F-フッ化ナトリウム(NaF)-PETを用いた分子イメージングの臨床研究に関してもアウトカム創出に至っている。2年間の冠動脈イベントを予測する冠動脈粥腫のNaF信号(TBRmax)最適カットオフ値は1.28であり、TBRmax>1.28のイベント予測能が冠動脈CTにおける有意狭窄、ハイリスクプラークより優れていることを見出した。本研究結果により、NaF PETが不安定な冠動脈プラークを検出する新たな分子イメージングモダリティーとして、CTとの連携を通したハイリスクな症例と病変の検出に有用である可能性を示すことができた。本研究結果は国内外の学会において口述発表し、さらに英文誌(Journal of the American Heart Association)に報告した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17K09502
ID情報
  • 課題番号 : 17K09502
  • 体系的課題番号 : JP17K09502