研究ブログ
線文字Bの粘土板
オックスフォード大学のセミナーで下記の講演を視聴しました!
Thursday, 18th November
Anna Judson (British School at Athens)
"Tablet-makers and writers in the ‘Palace of Nestor’ "
線文字Bの研究というよりも、その粘土板に関する研究です。
実際に自分で粘土板を作っていました!
イギリスの講演二つ
・10 NOVEMBER, 15:30
University of London School of Advanced Study – Institute of Classical studies, Mycenaean Seminar
Dimitra Mylona
'Beyond fishing: Processing of Marine Resources and a Little-Known Aspect of Palatial Societies in the 2nd Millennium BC'
・Thursday, 11th November
University of Oxford (GREEK ARCHAEOLOGY GROUP & PREHISTORIC AND EARLY GREECE GRADUATE SEMINAR)
James Whitley (Cardiff University):
'Bridging the Narrative Divide: Bild und Lied Before and After the ‘Dark Ages’ '
カラミアノス:ミケーネ時代の港
昨夜(11月4日)視聴した講演です。オックスフォード大学のセミナーの一つです。
Thomas Tartaron (University of Pennsylvania):
Kalamianos: The Brief but Brilliant Life of a Mycenaean Harbor.
ミケーネ時代の港で、ミケーネと関係があったようです。
表面調査だけで発掘は行っていないようですが、それでも重要な知見が得られています。
ミケーネの集落がどのように交易を行っていたか、具体像を解明するのに大きな役割を果たしてくれそうです。
発掘が行われていないので、今後資料状況が変わる可能性はありますが、現今の資料状況ではLHIIICの遺物が発見されていない、という点も看過してはいけない点でしょう。ミケーネ文化の崩壊とともに、交易ルートが変化したことを示唆していると思われます。
講演二つ
最近視聴した講演二つ!
・Thursday, 28th October, 1pm (UK time):オックスフォード大学のセミナー
Athena Tsingarida (Université Libre de Bruxelles)
'Come, let us drink’. Changing Wine Vessels and Symposium Practices in 6th-Century Athens'
・October 28, 2021, 6:00 pm MST :AIA Society: Central Arizona (Phoenix)
Debby Sneed
'Ten Fingers And Ten Toes: Disability And Infanticide In Ancient Greece'
また、講演二つ
昨晩(一つは今日ですが・・・)、視聴した講演二つです。
・Catherine Draycott (Durham University): "Decolonising Lycian Studies"
(University of Oxford: GREEK ARCHAEOLOGY GROUP & PREHISTORIC AND EARLY GREECE GRADUATE SEMINAR)
・Laurent LESPEZ
(Univ Paris Est Creteil , Laboratoire Géographie Physique (LGP) CNRS)
"A Tsunami Deposit at Malia: Discovery of a tsunami deposit from the Bronze Age Santorini eruption at Malia (Crete): impact, chronology, extension"
TALOS, aegis, October 21, 2021 at 5 pm (Brussels UTC+1)
講演二つ
最近視聴した講演二つについてです。
・ハイデルベルク大学の講演!2021年10月19日14:15(現地時間)
Aegean Early Bronze Age deposition and corresponding metalwork: Towards a native autonomy?
Dr. Christos Kleitsas, Hellenic Ministry of Culture, Ephorate of Antiquities Ioannina
北ギリシアのGlyfada-Mesiという所から見つかった珍しい銅製品の資料でした!
・AIAの講演!2021年10月19日 06:00 PM 東部標準時(米国およびカナダ)(日本では20日午前7時から)
Emilia Oddo,
"Let them Rest in Peace: The Sacred Burials of Frescoes, Pots, and Rooms in the House of the Frescoes at Knossos"
以前にASCSで聞いた内容と同じでした。変わった堆積状況のフレスコ画に関する話です。
講演3本・・・
比較的最近視聴した講演三つ!
・10月13日現地時間3時半(イギリス時間)・・・Mycenaean Semiinar
Sarah Murray (Toronto)
”Heavy Metal: Pyrotechnology and Society in the Postpalatial Aegean"
初期鉄器時代における鉄生産の開始と火葬の普及に関係があるという意見です。ただし、青銅器時代にも高温を扱う火の技術はあったはずなので、なぜその時には火葬が普及しないで、鉄の生産の開始と同じ頃に火葬が広まったのか、そこが問題だと思われます。
・10月14日現地時間午後1時(イギリス時間)・・・オックスフォード大学(Greek Archaeology Group & Prehistoric and Early Greece Graduate Seminar)
Claudia Wagner (University of Oxford)
"Greeks engraving gems - a miniature art under the magnifying glass"
印章について!クノッソスのFresco of Procession には、印章を時計のように手首に巻いている人物が描写されています。ミケーネ時代にもあって、前6世紀以降は前古典期も、さらに古典期やヘレニズム時代もある!つまり、初期鉄器時代だけない・・・示唆的です。イソップの物語を表現した狐とブドウの木が描かれた印章などもありました。
・10月14日現地時間午後5時(Brussels UTC+1)・・・TALOSの講演の一つ
Rachel Kulik (University of Toronto)
"Theran tephra deposits at Palaikastro (Crete): Deposition and site abandonment processes related to the bronze Age Santorini eruption"
クレタのパライカストロからサントリーニの火山灰が検出されたそうです。ただし、二次的な堆積のようです(津波でもなさそうです)。
ホメロスとクレタの考古学
下記の講演を聞きました!日本だと10月6日、午前9時からでした!
AIA Society: Madison
Lecturer: Antonis Kotsonas
Homer And The Archaeology Of Crete
october 5, 2021 @ 7:00 pm CDT Central Time
一般向けの内容で、特に新しいことはなかったのがちょっと残念です。
少しは新しい調査のことなどを話してくれるかな、と期待していたので・・・。
ただ、クノッソスの北の墓域(North cemetery)の第201号墓のことを改めて考え直そうという気持ちになったことはよかったです!201号墓は亜ミノア期(前11世紀)の墓で、たくさん武具が出土したことで有名です。
ミケーネ
ミケーネに関する下記のようなシンポジウムがありました。イギリスがミケーネの発掘を始めて100周年の記念行事です。
Celebrating the Centenary of British Excavations at Mycenae: Remembering Alan Wace & Elizabeth French
Faculty of Classics, University of Cambridge
Thursday 30 September – Friday 1 October 2021
4.00 to 7.30pm BST, Online via Zoom
日本時間だと夜12時から午前3時までで、時間帯が悪く、眠くなりながら多少は視聴しました。
初日のお目当てが・・・
Kim Shelton (UC Berkeley)
Excavating Mycenae: the impact of the British School at Athens 100 years later
二日目のお目当てが・・・
John Bennet (British School at Athens)
Linear B at Mycenae: why so late to arrive, why not more?
ジョン・ベネットの発表は考えさせられました。なぜミケーネからは線文字Bが少ないか?本当に疑問に思います。色々な要因が推測されていました。
ラコニアの線文字B
British School at Athens主催の講演を聞きました!昨日に引き続き、 15th International Mycenological Colloquium の一部です。
"An assemblage of Linear B administrative documents from Ayios Vasileios, Laconia"
Presented by Adamantia Vasilogamvrou and Vassilis Petrakis
Tuesday 21 September, 5pm (UK) / 7pm (Greece)(日本時間だと22日午前1時から)
パワーポイントの画面(最初の頁)には、下記の方々の名前が記されてありました。
Adamantia Vassilogamvrou, John Bennet, Angeliki Karagianni, Vassilis Petrakis, Nektarios Karadimas & Eleftheria Kardamaki(ただし話していたのはVassilis Petrakisだけでした!)
今、大注目の線文字Bが出土したラコニアの遺跡です!
何と、最初の発見は表面採集だったというからびっくり!
2008年に、表面採集で線文字Bの粘土板が発見されたそうです。
現在では100以上もの線文字Bの粘土板などが発見されています。
研究も進展しつつあるようで、どのようなことが記されているか、または記されていないか、などが分析されているそうです。とにかく、すばらしい資料です。今後の研究に期待が高まります!