2013年5月25日
ファルク・リヒターに見られる90年代以降の劇作家の特徴
日本独文学会研究叢書
- 巻
- 号
- 91
- 開始ページ
- 3
- 終了ページ
- 22
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- 日本独文学会
劇作と演出とが分業体制を取るのが常識だったドイツ語圏では、1990年代以降、劇作家と演出家を兼ねる演劇人が多くなった。ファルク・リヒター、ルネ・ポレシュ、アルミン・ぺトラス(劇作家としてのペンネームはフリッツ・カーター)、アイナー・シュレーフ、クリストフ・シュリンゲンジーフらは、従来の劇作・演出の分業をやめ、自らが執筆した上演台本を自ら演出している。本論はファルク・リヒターを例に、ポストドラマ演劇の浸透と相まって、従来のドラマ生産の現場を批判的に活性化しつつある劇作・演出の一体化の傾向を詳述する。