論文

2018年12月

腸内細菌叢検索における試料保存方法がDNA解析に与える影響の評価

学苑 生活科学紀要
  • 桝田和彌
  • ,
  • 青木萌
  • ,
  • 寺澤沙希
  • ,
  • 飯野久和

938
開始ページ
26
終了ページ
31
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
昭和女子大学

ヒト腸内細菌叢検索法の主流となった分子生物学的手法では、新鮮便から微生物由来DNAを抽出し、PCR増幅後、解析に用いる。この際新鮮便は全解析対象試料収集まで一時的に―20℃に凍結保存される。このきっかんは醜態という短期的なものではなく、しばしば月単位になることが多い。本報では凍結試料からのDNA抽出に際し、融解熱等によるDNA損傷等が最終解析データに影響があるものと考え、その検証を行った。すなわち、新鮮便抽出DNAを対照とし、-20℃、-30℃、-80℃凍結保存に加え、液体窒素で予備凍結後、3種の凍結温度にて保存、また保存期間を3か月から1年間試料の経過をDGGE法にて検証した。
その結果、V3ユニバーサルプライマーでの各種保存方法あるいは保存期間での多様性にはほとんど際は認められなかった。しかし、属レベルプライマーでは凍結温度の高い―20℃保存試料では明らかな差異が認められ、特にClostridiumの多様性は大きく失われていた。

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