共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年 - 2019年

多言語社会パラオにおける実時間調査―20年後の経年変化―

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
16H03412
体系的課題番号
JP16H03412
配分額
(総額)
11,310,000円
(直接経費)
8,700,000円
(間接経費)
2,610,000円

本研究では、20年前に研究代表者自身が行った言語調査を、再度、20年後に実施し、「見かけ上の時間」・「実時間」という二つの観点から、この間にパラオの言語状況がどのように変容したのかを解明することを目指している。4ヵ年計画の3年目の研究として、今年度も①アンケートを用いた多言語使用や言語意識に関する調査、②パラオの高齢層の談話データに基づいた日本語変種の調査、③パラオ語の借用語における意味変化に関する調査を行った。
①多言語使用と言語意識に関する調査では、調査対象者を35歳以上へと拡大させ、アンケート調査を実施した。バランスの取れたサンプリングを目指し、幅広い職種(専門職、事務職、サービス業等)のパラオ人より回答を得た。現在はその集計・分析を進めている。その途中成果を、去る6月と3月に国際学会において口頭発表・基調講演で公表した。
②パラオ日本語に関する研究では、パネル調査に向けて20年前に録音した同一話者から再度データの収集を試みたが、他界した話者が多いことから、日本統治時代を経験した世代で今回新たにデータを収録したケースもある。また、これまで未整理・未分析となっていた膨大な一次データの電子化や活字化、データ化を図ることができ、現在の研究の土台を補足・強化することができた。
③借用語に関する研究では、世代間(20才、40代、60代、80代)における意味的変異と変化を考察するためのデータを補充することができた。その途中成果を、去る6月の国際学会で報告し有益なフィードバックを得た。
また、これまで行ってきたミクロネシア地域における現地調査の経験をまとめた論考「Encountering Micronesia through sociolinguistic fieldwork」が日本オセアニア学会の機関誌『People and Culture in Oceania』に収められた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16H03412
ID情報
  • 課題番号 : 16H03412
  • 体系的課題番号 : JP16H03412

この研究課題の成果一覧

論文

  24

MISC

  1

書籍等出版物

  12

講演・口頭発表等

  39