2021年4月 - 2024年3月
高磁場MRIとRNA-seqを用いたう蝕の進行に伴う歯髄・根尖歯周組織の病態解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
歯の主要な喪失原因である歯根破折は歯髄を失うことで発生率が劇的に上昇する。よって、深在性う蝕において安易に抜髄をすることなく、歯髄の温存を行う直接覆髄や断髄などのVital Pulp Therapy が世界的にも注目を集めている。しかし、歯髄の創傷治癒メカニズムはいまだ不明な点も多く、う蝕の進行に伴う歯髄・根尖歯周組織の病態は解明されていないことが国際的にも常に議論されている。そこで本研究の目的は、う蝕病変の深度を規定したin vivoモデルを用いて、う蝕の進行に伴う歯髄炎から根尖歯周炎に至る過程を可視化し、超高磁場MRIならびに網羅的な遺伝子発現解析であるRNA-seq解析を組み合わせることで、その過程で特異的な発現を示す遺伝子を同定することである。これら結果より、う蝕の病態解明とともに、可逆性歯髄炎不可逆性歯髄炎を術前・術中に判断しる新規診断技術開発へとつなげることを企図している。
今年度は申請者がこれまでに確立した、う蝕病変の深度を規定した動物実験モデルを用いて、う蝕の進行による歯髄・根尖歯周組織における生体反応を高分解能マイクロCTおよび超高磁場MRIにより経時的・非破壊的に評価することを計画していた。分担研究者である大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻生体物理工学講座先端画像技術学研究室、齋藤准教授の指導の下、臨床で主に応用されている3テスラMRIよりも2倍以上の静磁場強度の超高磁場7テスラMRI (7T-MRI PharmaScan70/16-US) による超高精細機能形態イメージング技術により、これまでエナメル質や象牙質を周囲に持つ歯髄組織はMRIによる観察は困難とされていた、超微小領域であるラットの歯髄観察が可能となり、う蝕の進行を特徴づけるMRI画像が得られた。
今年度は申請者がこれまでに確立した、う蝕病変の深度を規定した動物実験モデルを用いて、う蝕の進行による歯髄・根尖歯周組織における生体反応を高分解能マイクロCTおよび超高磁場MRIにより経時的・非破壊的に評価することを計画していた。分担研究者である大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻生体物理工学講座先端画像技術学研究室、齋藤准教授の指導の下、臨床で主に応用されている3テスラMRIよりも2倍以上の静磁場強度の超高磁場7テスラMRI (7T-MRI PharmaScan70/16-US) による超高精細機能形態イメージング技術により、これまでエナメル質や象牙質を周囲に持つ歯髄組織はMRIによる観察は困難とされていた、超微小領域であるラットの歯髄観察が可能となり、う蝕の進行を特徴づけるMRI画像が得られた。
- ID情報
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- 課題番号 : 21K09915
- 体系的課題番号 : JP21K09915