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2011年12月 - 2011年12月

実環境計測に基づく高温電極の界面領域エンジニアリング


固体酸化物形燃料電池(SOFC)による超高効率発電/コジェネレーションは,再生可能エネルギーの不安定性を補いつつ低炭素で自律可能なエネルギーシステムを構築するための重要なツールである。本格的普及のためには,コストの削減と耐久性・効率の向上を同時に満たすことが必要であり,基礎に立ち帰ったブレークスルーが必要になる。特に重要なのが電極のエンジニアリングである。SOFCのガス電極は,電極と電解質の単純な界面としてではなく,三次元的な広がりを持つ「界面領域」として捉えたエンジニアリングが必要である。そこで本研究では,SOFC動作環境下の界面ナノ,ミクロ,マクロ領域に適用可能な「その場」計測法を開発するとともに,これらを統合した評価プロセスを構築することによって,界面領域エンジニアリングを可能にすることを目的とする。具体的には,界面領域の挙動を,①ナノ領域での化学種の挙動と電子状態,②ミクロ領域での物質輸送と微細構造・組成,そして③これらの結果として現れるマクロ挙動,のマルチスケールで捉え,各スケールでの挙動を実環境下またはそれに近い環境で測定する手法を開発・整備し,これらの計測手法を直接的・間接的に連携させて総合的な評価スキームを構築することを目指す。