基本情報

所属
東北大学 大学院工学研究科・工学部 バイオ工学専攻 応用生命化学講座 准教授
学位
博士(理学)(筑波大学)

J-GLOBAL ID
200901061318499680
researchmap会員ID
5000026476

外部リンク

受賞

  8

論文

  82

MISC

  88

書籍等出版物

  8

講演・口頭発表等

  68

共同研究・競争的資金等の研究課題

  21

産業財産権

  33

社会貢献活動

  2

その他

  10
  • 2016年6月 - 2016年6月
    本技術開発で 、研究開発項目1「植物 生産性制御に係る共通基盤技術開発」(代謝系遺伝 子発現制御技術)において、複数 組換え遺伝子を含む長鎖DNAを遺伝子導入し、それら 遺 伝子群を植物内で安定に発現させる技術を確立し、さらに、そ 遺伝子導入領域を「ゲノム編集 ステーション」として活用できる国産 共通基盤技術を確立する。遺伝子組換え作物を実用化す る際 深刻な問題として、時間あるい 世代が進むにつれて導入した遺伝子発現が不安定化す る現象が頻繁にみられることがよく知られている。商品化に際して 、多数 遺伝子組換え系統 を作製し、それらを長期間にわたって検査し、安定な系統を選抜する必要があるために、時間が かかり、かつ、膨大な開発コストがかかることが主にネガティブな要因となっている。組換え遺伝 子発現 不安定化 、遺伝子導入部位で クロマチン構 エピジェネティックな修飾変化に 起因すると推定されているが、未だに不安定化を防ぐ方法 確立されていない。また、従来 遺 伝子組換え作物において 、単独あるい 数種類 遺伝子を組換えることに重点が置かれてい たが、合成生物学 世界的な急展開を考えれ 、代謝経路 全体を遺伝子導入するなど、数 十 遺伝子セットを遺伝子導入し、安定的に発現させる新たな技術 需要が高まっている。さら に、開発した遺伝子組換え系統を、次 ニーズに応じて、最小限 時間とコストで改変できること を可能とするために、「ゲノム編集ステーション」 機能を持たせた染色体領域 開発も急務であ る。本研究開発で 、染色体工学 専門家が中心となり、ゲノム解析、植物代謝制御、オミクス 解析 専門家が協力して、独自 発想を基に国産 新規ゲノム編集関連技術開発に取り組む。 また、イソプレノイド生合成経路遺伝子群をこ 「ゲノム編集ステーション」へ組込み、代謝系遺 伝子発現制御技術 開発に取り組む。
  • 2008年7月 - 2008年7月
    植物イソプレノイドは自身の生理機能調節のみならず、それを摂取する動物にとっても非常に重要である。イソプレノイドはイソペンテニル二リン酸(IPP)が連続的に縮重合した構造を基本骨格とする。植物細胞内には、細胞質中のメバロン酸経路と色素体中の非メバロン酸経路(MEP経路)という2つのIPP生合成経路が存在する。これらの生合成経路の酵素の発現は厳密に制御されているが、その詳細な機構は不明な点が多い。本研究では、シロイヌナズナにおけるMEP経路について、主に転写レベルにおける発現制御因子の解明を目的とする。 候補となる転写因子を選別するため、AtGeneExpressのアレイデータを元に、MEP経路の酵素遺伝子と発現パターンに相関性がある転写制御因子を選別した。MEP経路の各酵素遺伝子は光周期で発現変動を示すことから、そのパターンと同様な発現変動を示す転写因子を解析候補として絞り込み、それらの遺伝子挿入変異体におけるMEP経路遺伝子の発現を解析した。その結果、zinc finger型転写因子変異体において、MEP経路の律速酵素遺伝子の有意な発現上昇がみられ、それに対応したカロテノイド及びクロロフィルの蓄積量の上昇がみられた。また、別のzinc finger型転写因子変異体では、MEP経路の律速酵素遺伝子の発現抑制と代謝物の蓄積量の減少がみられた。これらによるMEP経路の制御機構が予想される。
  • 2007年10月 - 2007年10月
    本計画においては、天然ゴム生合成に関与する酵素の遺伝子を高発現させたパラゴムノキ、あるいは、アレルゲンタンパク質の発現を抑制したパラゴムノキの作出を目指し、申請者らが確立したパラゴムノキ培養細胞系に対する高効率な遺伝子導入方法を開発することを目的とする。同時に、より時空間的に高効率な遺伝子発現制御を実現するための、遺伝子発現プロモーターの開発を行う。
  • 2007年5月 - 2007年5月
    イソフラボンはダイズをはじめとするマメ科植物に多量に含まれ、高等植物中において抗酸化作用や紫外線防御機能など様々な生理活性を示すが、とりわけ重要な機能としては、窒素固定のための微生物共生におけるシグナル分子としての役割と、植物病原菌感染に対する抗菌物質(ファイトアレキシン)としての役割があげられる。一方で、イソフラボンはそれを摂取する動物の体内で代謝されることによりエストロゲン様の作用を示すことや、乳癌や前立腺癌、循環器系疾患に対し効果的な予防治療薬となり得ることから、近年、ダイズ食品消費量の特に多い我が国のみならず世界的に注目が高まっている。植物細胞内で生合成されたイソフラボンのほとんどは直ちに配糖化およびアシル化の修飾を受け、溶解度の高い配糖体として液胞内に蓄積されることが従来から知られていた。一方、これまでに明らかになっているイソフラボンの生理機能は主に修飾を受けていないアグリコン型で最も強く発現される。貯蔵形態である修飾型イソフラボンを脱修飾することによるイソフラボンアグリコンの迅速な放出は、植物-微生物相互作用において有効な代謝戦略であると考えられるがその詳細はほとんど明らかにされていなかった。そこで本研究では、脱修飾過程に関るイソフラボン特異的β-グルコシダーゼを過剰発現あるいはノックダウンさせた形質転換ダイズを用いた分子生物学的解析により、根粒菌共生過程初期におけるシグナル伝達物質放出、および植物病原菌に対する防御応答におけるファイトアレキシン放出における脱修飾酵素を介したイソフラボン代謝制御機構を解明することを目標とする。 本研究の成果を応用することで、ダイズにおけるイソフラボンアグリコンの放出量を効果的に制御することが可能となる。イソフラボンシグナルの増大によるダイズ-根粒菌間の共生の促進は、窒素固定能の増強とそれに伴う収量増大へつながる。これは、化石燃料を消費して製造される窒素肥料と比較して環境への負担がはるかに少ない。また、イソフラボン骨格のファイトアレキシンの生物工学的応用は病虫害に対する防御機構改変に非常に有効である。さらに、イソフラボンの代謝工学は機能性食品高生産という観点からも、アジア諸国の中でも特にダイズ食品の消費量の多い我が国にとって、重要度の高い研究課題であると考える。
  • 2007年4月 - 2007年4月
    植物に含まれるイソプレノイドは最も多様性に富む天然有機化合物群であり、その大部分が植物個体の維持だけでなく、それを補食する動物にとっても不可欠である。イソプレノイドのなかでも、ポリプレノールやドリコール、天然ゴムに代表されるZ,E-混合型ポリイソプレノイドについては、その生理的意義が不明であった。我々はZ,E-混合型ポリイソプレノイドの生理機能解明を目的として、その基本骨格生合成を触媒するシス型プレニル鎖延長酵素(CPT)の機能解析を行ってきた。これまでの研究により、シロイヌナズナCPT相同遺伝子の1つであるAtCPT5は、炭素数30-35のポリイソプレノイドを合成する、全く新奇な生成物鎖長特性を示す酵素をコードしており、また低温や浸透圧ストレス下でその遺伝子発現が誘導されることが明らかになった。本発表では、AtCPT5およびその反応生成物のストレス応答における関与を解明するため、AtCPT5過剰発現型形質転換シロイヌナズナを用いてストレス耐性試験を行った結果を報告する。 CaMV35SプロモーターにAtCPT5を連結したコンストラクトをシロイヌナズナに導入し、遺伝子の発現レベル及びCPTの活性レベルの異なる複数の形質転換ラインを獲得した。これらの形質転換体はAtCPT5の発現レベルの増加に伴って根の伸長が抑制される表現型を示した。ストレス耐性は、低温、塩、マンニトール(高浸透圧)の各ストレス条件下及びABA処理における根の伸長について評価した。その結果、過剰発現体は特にマンニトールによる浸透圧ストレスに対して耐性を示すことが明らかになった。これらのことから、Z,E-混合型ポリイソプレノイドがストレス応答に重要な役割を果たしていることが世界で初めて示され、それと同時に、CPTの発現制御によるストレス耐性植物の作出への可能性を見出すことが出来た。この結果は、産業的に有用な天然ゴム研究への応用に対する大きな足がかりとなった。
  • 2006年6月 - 2006年6月
    天然ゴムは、イソプレン単位がシス型に重合したシス-1,4-ポリイソプレンを基本骨格としていることから、申請者らは、パラゴムノキラテックス画分に特異的に発現するシス型プレニル鎖延長酵素遺伝子(HRT)を単離した(英文発表論文2)。この遺伝子産物は、単独では有意な酵素活性を示さないが、タイの共同研究グループにより調製されたラテックスの遠心画分の一つであるBottom Fraction (BF)を加えることで、天然ゴムに相当するポリイソプレンを合成できることが明らかになった。そこで、BFからのHRT活性化因子の探索を試みているが、BFは非常に不安定であり、単離後すぐに解析を行わないと活性検出が難しいという難点があった。本申請における研究計画では、実際にタイに赴き、十分な量のラテックス画分を採取後すぐに現地の共同研究グループの研究施設で分画、機能解析を行うことを目的とする。
  • 2004年10月 - 2004年10月
    天然ゴムはイソプレン単位がシス型に重合したシス-1,4-ポリイソプレンを基本骨格としているが、単純なシス-1,4-ポリイソプレンで構成された人工ゴムに比べ、耐摩耗性などの点において優れた性質を示すことからタイヤ等の原料として用いられており、その需要は年々増加している。このような重要な天然材料であるにも関わらず、その詳細な構造については未だに不明な点が多い。また、その生合成経路に関しても、ほとんど明らかになっていないのが現状である。現在工業的に用いられている天然ゴムのほとんどは、パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)から採取されるラテックスから得られているが、パラゴムノキにおける天然ゴムの生産性の向上や、高温多湿の環境以外でも生育可能な品種の探索などは天然ゴム生産において重要な課題である。そのため、申請者のグループではパラゴムノキにおける天然ゴム生合成経路の解明を目的として現在解析を進めている。最近申請者らは、ラテックスのcDNAよりシス型鎖延長酵素の相同遺伝子を単離した。シス型鎖延長酵素は、イソプレン単位であるイソペンテニルニリン酸(IPP)をシス形に重合する反応を触媒する酵素であることから、天然ゴムの基本骨格生合成への関与が期待された。実際、この酵素タンパク質をラテックス画分中に加えたところ、in vitroにおいて大幅なゴム合成活性の上昇が確認された。 そこで本研究では、このシス型鎖延長酵素を含めた詳細な天然ゴム生合成機構を解明するとともに、天然ゴムの高生産系を確立する事を目的として、パラゴムノキの安定な培養細胞系とその形質転換法の確立と、天然ゴム生合成に関与すると考えられる酵素遺伝子の単離および培養細胞における発現系の構築を目的とする。候補遺伝子としては、シス型鎖延長酵素の他にIPP生合成経路であるメバロン酸経路、非メバロン酸経路のそれぞれの鍵酵素遺伝子を考えている。
  • 2004年9月 - 2004年9月
    高等植物からは炭素数50-60、80-120と複数の炭素鎖長分布を示すシス型ポリイソプレノイドアルコール(ドリコール、ポリプレノール)が見いだされているが、この事は異なる生成物鎖長特性を示す複数の酵素が存在する事を示唆している。シス型ポリイソプレノイドアルコールの基本骨格生合成はシス型プレニル鎖延長酵素によって触媒されているが、現在までに高等植物からは炭素数75-90の生成物を合成する酵素が1種類同定されているのみである。また、生理機能の面からみても、糖タンパク質生合成に必須であるドリコールに対し、主に高等植物に多く見いだされるポリプレノールの生体内における役割については全く分かっていないのが現状である。本研究ではシロイヌナズナより網羅的にシス型プレニル鎖延長酵素遺伝子を単離し、その遺伝子産物である酵素を用いた機能解析と遺伝子の発現部位を解析する事により、高等植物に見いだされる鎖長分布に対応する酵素を同定するとともに、シス型プレニル鎖延長酵素およびその反応産物の生理機能を解明する事を目的としている。 シロイヌナズナのゲノム上には9種のシス型プレニル鎖延長酵素相同遺伝子が存在する事がわかったが、それらの組織別発現パターンを解析したところ、各遺伝子は特に葉などでの地上部で発現が高く、その他にもそれぞれ特徴的な発現パターンを示す事が明らかになった。これらの発現パターンをもとに、現在まで6種の遺伝子を単離する事に成功している。これらの遺伝子を大腸菌や酵母で発現させ、酵素活性を測定したとろ、AtCPT4のみが炭素数50-60の中鎖ポリイソプレノイドの合成を触媒し、他の遺伝子産物は炭素数80-100の長鎖ポリイソプレノイドの合成を触媒することがわかった。さらに、これらの遺伝子群のいくつかは乾燥や低温などの環境ストレスを与えた植物で発現が誘導されている事がわかった。こと結果は、高等植物においてポリイソプレノイドアルコールが環境ストレス応答に何らかの役割を果たしている事を示唆している。
  • 2004年6月 - 2004年6月
    高等植物からは炭素数50-60、80-120と複数の炭素鎖長分布を示すシス型ポリイソプレノイドアルコール(ドリコール、ポリプレノール)が見いだされているが、この事は異なる生成物鎖長特性を示す複数の酵素が存在する事を示唆している。シス型ポリイソプレノイドアルコールの基本骨格生合成はシス型プレニル鎖延長酵素によって触媒されているが、現在までに高等植物からは炭素数75-90の生成物を合成する酵素が1種類同定されているのみである。また、生理機能の面からみても、糖タンパク質生合成に必須であるドリコールに対し、主に高等植物に多く見いだされるポリプレノールの生体内における役割については全く分かっていないのが現状である。本研究ではシロイヌナズナより網羅的にシス型プレニル鎖延長酵素遺伝子を単離し、その遺伝子産物である酵素を用いた機能解析と遺伝子の発現部位を解析する事により、高等植物に見いだされる鎖長分布に対応する酵素を同定するとともに、シス型プレニル鎖延長酵素およびその反応産物の生理機能を解明する事を目的としている。 シロイヌナズナのゲノム上には9種のシス型プレニル鎖延長酵素相同遺伝子が存在する事がわかったが、それらの組織別発現パターンを解析したところ、各遺伝子は特に葉などでの地上部で発現が高く、その他にもそれぞれ特徴的な発現パターンを示す事が明らかになった。これらの発現パターンをもとに、現在まで6種の遺伝子を単離する事に成功している。これらの遺伝子を大腸菌や酵母で発現させ、酵素活性を測定したとろ、AtCPT4のみが炭素数50-60の中鎖ポリイソプレノイドの合成を触媒し、他の遺伝子産物は炭素数80-100の長鎖ポリイソプレノイドの合成を触媒することがわかった。さらに、これらの遺伝子群のいくつかは乾燥や低温などの環境ストレスを与えた植物で発現が誘導されている事がわかった。こと結果は、高等植物においてポリイソプレノイドアルコールが環境ストレス応答に何らかの役割を果たしている事を示唆している。
  • 2002年11月 - 2002年11月
    多くの植物種において、様々な鎖長のZ,E-混合型の長鎖ポリイソプレノイドアルコールの存在が報告されている。長鎖ポリイソプレノイドアルコールには、ポリプレノールとα-イソプレン残基が飽和しているドリコールが含まれる。これらのイソプレン骨格の炭素鎖長は50-120と非常にバラエティーに富んでおり、細胞内小器官、植物体各組織によりその量的分布も大きく異なっている。真核生物においては、ドリコールはN-結合型糖タンパク質やGPI-アンカー型タンパク質生合成過程における糖担体脂質前駆体として重要な役割を果たしていることが知られているが、イソプレン骨格の炭素鎖長の違いと生体内における機能との間にどのような相関関係があるのかは不明のままであり、さらに、ポリプレノールの生理的意義についてもほとんど解析されていないのが現状である。 生体内において、Z,E-混合型の長鎖ポリイソプレノイドアルコールの炭素骨格は、イソプレンユニットをシス型に鎖延長するZ型プレニルトランスフェラーゼによって生合成される。この酵素遺伝子は、申請者らのグループによって初めてMicrococcus. luteus B-P 26からクローニングされたのを皮切りに(J. Biol. Chem. 1998)多くの生物種より単離、同定されているが、その反応触媒機構等不明な点が多く残っている。申請者が検索したところ、既に全遺伝子配列の解析が終了している高等植物Arabidopsis thalianaのゲノム上にもZ型プレニルトランスフェラーゼと相同性が高い遺伝子は少なくとも9つ存在する事が分かった。 そこで本研究では、多種多様なポリイソプレノイドアルコールを持つ高等植物Arabidopsisを材料とし、9種すべてのZ型プレニルトランスフェラーゼ・デヒドロドリキル二リン酸合成酵素遺伝子の単離及び機能解析を網羅的に行うと同時に、これらの酵素遺伝子の変異体の生理学的解析を行うことで、ポリイソプレノイドアルコールの生理的意義とZ型プレニルトランスフェラーゼの反応触媒機構を解明することを目的としている。