2010年2月25日
『文学言語の探究―記述行為論序説―』
- 担当区分
- 単著
- 出版者・発行元
- 笠間書院
- 総ページ数
- 403
- 担当ページ
- 記述言語
- 日本語
- 著書種別
- 学術書
本論文が主軸とするのは文学の〈言語活動〉分析であるが、文学作品の〈言語活動〉分析だけではなく、分析する側の〈言語活動〉、つまり研究者自身の文体はどうあるべきかということを見定めることに目標がある。研究対象としての文学は、その作品に関わる言葉の総体として存在しているように見えながら、実はそれを迎え撃とうとする言葉と共に生起する言語的実在に他ならない。そして、それが研究者の言葉として外化される時、つまり、文章として定着された時、事後的に、その文章において文学作品の形が顕在化しなければならないとし、研究者すなわち記述する主体の書く行為において文学の可能性を見出すことを探究するものである。したがって、文学という領域における言語認識論の探究と、その実践としての作品研究を提案するものである。