基本情報

所属
國學院大學 文学部 教授
学位
博士(文学)(國學院大學)
文学修士(國學院大學)

J-GLOBAL ID
200901043361820699
researchmap会員ID
5000027273

わたしが中国の研究を始めたきっかけは、学部の学生だった頃に、台湾で道教の祭りを見たことでした。卒業論文の指導教授が台湾の農村で行われる儀礼の調査をする際に、わたしも同行させてもらったのですが、初めて見る道教儀礼は目、耳、鼻、皮膚に触れてくるものすべてが圧倒的でした。 儀礼は主に閉め切った廟の中で行われます。香の煙や斗灯の灯から出る油煙で、廟内は目も開けていられないほどになり、しばらくすると目が痛み涙が出るばかりか、喉や鼻も煙にやられてしまいます。儀礼は音楽の演奏を伴いますが、これも耳どころか皮膚にまで響く大音響です。道士たちのきらびやかな衣装にも驚かされます。 そして儀礼は延々と続きます。二十分から二時間ほどのプログラムが、若干の休憩を挟みながら、短くても二日半、長いものでは一週間以上にも及びます。道教儀礼には呪術的要素や演劇的要素が含まれ、見ていておもしろい部分も多い反面、単調な念誦や所作のくり返しも多く、すぐに睡魔に襲われます。睡魔と戦いながらじっと見続けているのはなかなかの苦痛でした。しかし、そうした苦痛も含めて、道教儀礼の時間・空間に身を置くことがわたしには非常に心地よく、楽しく思えました。 その後わたしの興味は道教の儀礼に傾き、その研究を専門とするようになりましたが、台湾での本格的な調査を開始したのは、はじめて道教の祭りを見てから八年も経ってからのことでした。自分の進むべき道を自覚するのに随分と時間がかかったものです。何の考えもなく台湾へ行ったことが、後になって気が付くと、自分にとって大きな意味を持つことになっていたのでした。 皆さんも機会があれば、実際に中国大陸や台湾に出かけてみてください。さまざまな発見があるかもしれません。中国文化は奥深さと、計り知れない広がりとを秘めています。何か心惹かれることに出会えるかもしれません。

研究キーワード

  6

受賞

  1

論文

  87

MISC

  19

書籍等出版物

  14

講演・口頭発表等

  119

共同研究・競争的資金等の研究課題

  8
  • 日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B) 2020年4月 - 2024年3月
    浅野 春二, 丸山 宏, 吉野 晃, 廣田 律子, 小塩 さとみ
  • 日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C) 2014年4月 - 2017年3月
    森 由利亜, 廣瀬 直記, 池平 紀子, 田中 文雄, 松本 浩一, 丸山 宏, 浅野 春二, 鈴木 健郎
  • 日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B) 2012年4月 - 2015年3月
    廣田 律子, 吉野 晃, 丸山 宏, 松本 浩一, 森 由利亜, 浅野 春二, 泉水 英計, 蔡 文高, 佐野 賢治, 高城 玲, 張 勁松, LUCIA Obi, 趙 金付, 馮 栄軍, 盤 栄富, 葉 明生, TERRY F Kleeman, 趙 書峰, 吉川 雅之, 内海 涼子, 増野 高司, 三村 宜敬, 濱田 武志, 譚 静
  • 日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B) 2008年 - 2012年
    廣田 律子, 吉野 晃, 丸山 宏, 松本 浩一, 森 由利亜, 浅野 春二, 佐野 賢治, 泉水 英計, 高城 玲, 蔡 文高, 泉水 英計
  • 日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B) 2007年 - 2009年
    千々和 到, 岡田 莊司, 古山 正人, 倉石 忠彦, 浅野 春二, 樋口 秀実, 阪本 是丸, 大河内 千恵, 嶋津 宣史, 竹本 千鶴, 星野 靖二, 堀越 祐一, 樋口 秀実
  • 日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B) 2003年 - 2005年
    千々和 到, 古山 正人, 岡田 莊司, 三橋 健, 浅野 春二, 宮家 準, 土肥 義和
  • 日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C) 2002年 - 2003年
    松本 浩一, 浅野 春二, 丸山 宏
  • 日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C) 1997年 - 1998年
    成澤 勝, 浅野 春二, 丸山 宏