共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2024年3月

メタロピンサー配位子が拓く革新的触媒反応

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
20H00376
体系的課題番号
JP20H00376
配分額
(総額)
44,330,000円
(直接経費)
34,100,000円
(間接経費)
10,230,000円

有機合成指向有機金属化学分野の研究は,現在,大半が既知の素反応(触媒反応を構成する単段階の反応)を組み合わせる発想に基づき,既知の (多くの場合,市販の)金属触媒を網羅的に探索する研究に止まっている。本研究では,金属元素を配位元素として有し,M-M結合を錯体中に生 じさせるメタロピンサー配位子を用いて様々なマルチメタル錯体を開発する。従来の単一遷移金属触媒に比べて格段に電子豊富な遷移金属中心の電子を利用する,あるいは,M-M結合の結合電子を利用する異なる二種類の低反応性シグマ結合活性化法によって,従来の単一金属触媒では容易ではなかった不活性結合(C-H,C-C,C-F,C-O,Si-O)の官能基化やCO2官能基化反応を開発する。2020年度に得られた研究実績の概要は,以下の通りである。
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1. メタロピンサー錯体の系統的創出に関して,配位子骨格をいくつか新規に合成し,これを用いたAl含有ピンサー配位子の創出に成功した。
2. C-H活性化・官能基化に関して,Rh-Al触媒を用いるピリジンの2位選択的シリル化反応の開発に成功した。
3. 極性σ結合活性化・官能基化に関して,Rh-Al触媒を用いるAr-F結合のマグネシウム化の成果を纏め論文発表した。さらにalkyl-F結合やAr-O結合でも同様の反応が進行することを見出した。
4. CO2活性化・官能基化に関して,Al-Rh錯体によるCO2活性化によって生じるアシルロジウム錯体の同定に成功した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H00376
ID情報
  • 課題番号 : 20H00376
  • 体系的課題番号 : JP20H00376