2016年4月 - 2020年3月
タンパク質の構造安定性と分子間相互作用に関する実験と理論による研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
タンパク質構造安定性は,バイオ医薬品の設計にも関係する,社会的に重要な研究課題である.これらの現象論的説明では,約60年もの間,Kauzmannによる「疎水性相互作用仮説」が,中心的役割を果たしてきた.しかしその一方で,観測事実との矛盾が数多く囁かれてきた.本研究では,本仮説の理論的検証を行うために,unfoldingに伴う自由エネルギー変化を溶媒和および分子内相互作用による寄与に分割する計算手法を開発し,モデルタンパク質シニョリンに適用した.それにより,シニョリンは分子内相互作用により安定化しており,溶媒効果はむしろunfold構造を安定化するという,本仮説とは相反する結果を得た.
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- 課題番号 : 16K05657
- 体系的課題番号 : JP16K05657