基本情報

所属
大阪学院大学 経済学部 教授
学位
博士(人間・環境学)(京都大学)

J-GLOBAL ID
200901052901695626
researchmap会員ID
5000030192

外部リンク

専門は、日本における近世~近代の思想史学。現在は主に、以下の三つの研究課題に注力しています。

1. 石田梅岩の思想・石門心学の読み直し

江戸時代中期の庶民思想家である梅岩の言説と、その社会的効果を改めて考察しています。キーとしているのは、荘子に由来する「形ニ由ノ心」と儒学から受け継いだ「修身斉家治国平天下」です。性理学という存在論と、政治哲学の両面から、これまでに十分考えられてこなかった梅岩思想の社会的意味合いを探求しています。同時に、梅岩と手島堵庵の間にある断絶や、中沢道二による「形ニ由ノ心」の新解釈、布施松翁の万物斉同的世界観、鎌田柳泓の石門心学の体系化などについても、関心を持って研究に取り組んでいます。

2. 江戸期の瓦版・錦絵

近世庶民思想を考える好材料として、当時夥しい数が発行された瓦版や、風刺的意味合いを持つ錦絵にも注目しています。瓦版については、当時における違法出版物であるがために、その実態は未だ十分には解明されていません。現在は、本屋仲間、飛脚問屋に関する史料などに基づき、その版行システムを明らかにすることを大きな課題としています。また、怪異出現の報など、当時の庶民が「信じるに足る虚偽」と判断した情報から、彼らの世界観を探ることにも取り組んでいます。幕末・維新期の風刺錦絵も、瓦版同様の視角から、その真相を考究しています。

3. 幕末・維新期の国学と陽明学

幕末動乱期に存在感を強めた国学と陽明学について、思想史学的に考究しています。国学については、平田篤胤から大国隆正、国家神道への系譜と、篤胤が批判的に捉えた俗神道、例えば江戸時代中期の増穂残口から続く庶民的神道との関係などが主要研究テーマです。陽明学については、大塩中斎、山田方谷、横井小楠らの思想に関心を持ち続けています。彼らの、いかにも日本的な陽明学を再読し、それらと国学や神道、及び(いわゆる武士道を含む)武士層の思惟様式との関連についても新たな定位を試みています。

 

*本ページの「講演・口頭発表等」の項目については、学会・研究会において行われたものと、一般の方々に開かれたもののみを記載しています。


書籍等出版物

  19

論文

  18

メディア報道

  65

MISC

  11

講演・口頭発表等

  10

所属学協会

  2