2002年以降の自験例で、悪性脳腫瘍に対するホウ素中性子捕捉療法(BNCT)治療例、その適応判定、経過観察・再治療の要否判定において、bronophenylalanine(BPA)を18Fで標識しトレーサーとしたアミノ酸(フェニルアラニン)PET(18F-BPA-PET)を行った症例を対象に、BNCTとPETの関わりについて考察した。非開頭BNCT治療前に18F-BPA-PETによる画像診断で薬剤集積の計算を行い、高集積を示す部分に対して十分な照射野で中性子を照射した。18F-BPA-PETで得たL/N比と血中濃度から腫瘍のホウ素集積を算出し、腫瘍線量の評価、治療効果の判定、その後の治療計画に反映させた。18F-BPA-PETは他のトレーサーより腫瘍の取込みが高く、BNCT治療後に画像上で病態の判断が不明な例で放射線障害・壊死との病態解析が可能であった。18F-BPA-PETにおいて高集積を認める難治性浸潤性腫瘍はBNCTの良い適応であり、L/N比は病態診断に有用性が高いと考えられた。