共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2022年3月

テロワールによって捉える土地と文化の新たな領域史の構築

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
17H01310
体系的課題番号
JP17H01310
配分額
(総額)
43,810,000円
(直接経費)
33,700,000円
(間接経費)
10,110,000円

本年度は昨年度の成果に基づき、以下のような調査研究を実施した。まず、昨年度の1次調査に引き続きフランス・シャンパーニュ地方の調査対象地の候補を見出す調査を行った。それと昨年度のフランス・ブルゴーニュおよびボルドーの1次調査結果と合わせ、最も「テロワール」概念を体現していると判断されたボルドー・サンテミリオンの生産者について、ドローン(許可を得て実施)も含めた大規模で詳細な実測調査を実施した。これにより、畑地作業、醸造、流通に関して、一つの敷地の中でどのような構成を持っているのかを把握することが可能となった。さらに、生産者は地域の有力者家系で豊かな家族史関係史料を残しており、その史料についても詳細な調査を行った。
また、計画していたアジア調査として、台湾新竹県の茶業に関する1次調査も実施した。それぞれ規模、生産形式、流通形態が異なる関西庄、峨眉郷、坪林の3箇所について、史料調査および、現地茶業者への聞き取りも含め現地調査を行い、台湾茶の畑の作付け形式、製茶の工程、世界的規模での流通の仕組みなどを確認することができた。その成果により、台湾茶の生産・流通についても、「テロワール」の概念で理解でき、そうした理解により新たな領域史が構築できる可能性を確認した。
以上の現地調査と並行して、テロワール概念をめぐり概念、政治、検知技術などの観点からの個別テーマによる考察も進めた。これらの現地調査と個別研究については、「空間」「流通」「文化」のグループの事前の打合せを経て、2回にわたる合同研究会において発表と質疑を行った。また、その研究会において、来年度以降の調査対象地の検討も行った。なお、計画していた「テロワール・アトラス」作成の作業については、作成を支援いただく研究者の協力を得て、フランスにおける2次調査の成果をGISのデータと照合する作業を進めることができている。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17H01310
ID情報
  • 課題番号 : 17H01310
  • 体系的課題番号 : JP17H01310

この研究課題の成果一覧

MISC

  3

書籍等出版物

  5

講演・口頭発表等

  6