論文

査読有り
2000年4月

坐骨部褥瘡・滑液包炎内に発生した異所性骨化

日本パラプレジア医学会雑誌
  • 吉村 理
  • 前島 洋
  • 小林 隆司
  • 峰松 亮
  • 佐々木 久登
  • 田中 幸子
  • 金村 尚彦
  • 松尾 彰久
  • 白濱 勲二
  • 野戸 かおり
  • 宮本 英高
  • 渡邊 誠
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13
1
開始ページ
246
終了ページ
247
記述言語
日本語
掲載種別
研究論文(学術雑誌)
出版者・発行元
日本脊髄障害医学会

症例は第12胸髄損傷の35歳男性で,初診の1ヵ月前から両坐骨部に滲出液を生じていた.初診時,同部に褥瘡と開放性滑液包炎がみられ,X線検査ではマッチ棒状の骨を思わせる異常陰影を認めた.滑液包切除と褥瘡形成術を施行した.滑液包切除時,滑液包内の索状組織にマッチ棒状の骨が両側に発生しているのを認めたため,これを摘出した.摘出骨の組織は,骨梁が層板状の成熟骨からなり,骨小腔の骨細胞は明瞭で,骨梁間には血管脂肪組織が存在していた.術後9ヵ月の現在再発は認めない.本例はこれまでマット上に長座位となり室内をいざる動作を続けていたことから,坐骨部への圧迫と剪断力が常に働いて滑液包を生じたものと思われた.また,さらなる圧とズレの力が滑液包内に索状の滑膜を出現させ,この滑膜内に小出血が起こり異所性骨化が発生したものと推察された

ID情報
  • ISSN : 0914-6822
  • 医中誌Web ID : 2000214282

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