MISC

2002年12月

アルコール投与による肝代謝酵素mRNAの発現動態

アルコールと医学生物学
  • 伊藤 孝仁
  • ,
  • 玉木 敬二
  • ,
  • 松本 博志

22
開始ページ
131
終了ページ
133
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(株)響文社

アルコール摂取早期の肝臓におけるCYP2E1とALDHのmRNA発現動態の検討目的で,ICR雄マウスを用いて3.5g/kg体重のエタノールを1日または4日連続投与によるCYP2E1とALDHのmRNA量の変化を観察した.その結果,エタノール投与群は対照群と比較して4日連続投与時にCYP2E1のmRNAが有意に減少したことから,このmRNAの変化がその後の酵素発現量を規定しているとするとアルコールの一次代謝能が減少してアセトアルデヒドが減少することが考えられた.ALDH2阻害剤cyanamide前投与処置後のエタノール投与群ではエタノール単独投与群と比べCYP2E1が上昇する傾向を認め,CYP2E1がアセトアルデヒド代謝と関連している可能性が示唆された.以上より,アルコールの連続摂取体内4日程度までは肝臓内で産生される一次代謝産物であるアセトアルデヒドを減少させる機構の存在が推測される.従って過剰に産生または代謝されずに蓄積したアセトアルデヒドが肝における早期障害に関与している可能性が示唆された

ID情報
  • 医中誌Web ID : 2004234609

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