廃棄物埋立護岸は、廃棄物の海面埋立処分に対応して埋立処分する空間を確保するためのものである。埋立護岸は、廃棄物からの浸出水が場外への漏出することを防止するため、遮水性を確保する必要がある。埋立護岸が十分な遮水性能を発揮するためには、様々な外的条件に対して護岸構造が構造的に安定を維持しなければならない。本研究では、埋立護岸の遮水性に起因する処分場内外水位差等の構造不安定要因が、二重鋼管矢板護岸の安定性に与える影響を議論するものである。その結果、二重鋼管矢板護岸を用いた海面処分場は、残留水位の上昇および地震力によって、二重鋼管矢板護岸を含む広い領域ですべり破壊を生じる危険性が大きいことが判明した。