2019年4月 - 2022年3月
軽度外傷性脳損傷に対するジンセノサイドRb1と誘導体の治療効果に関する研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
昨年度(令和元年度)は軽度外傷性脳損傷(Mild Traumatic Brain Injury, MTBI)モデルマウスを用いて、 ジンセノサイドRb1(gRb1)を含む紅蔘末のMTBI 治療効果を検証した。麻酔下のマウスの頭に一日一回、五日間で合計5回の落錘を負荷することにより脳損傷を与えた。MTBI一日目から、モデルマウスの餌を1%と0.1%紅蔘末を含むCE-2餌に変えて、実験終了まで与え続けた。MTBI後7日目、30日目と168日目にOpen Field Test を実施した。その結果、1%紅蔘末を含むCE-2餌を与えられたマウス(高濃度群)はMTBI後30日目と168日目でCE-2餌を与えられたマウス(Vehicle群)に比べて、自発運動の増加が有意に抑制された。MTBI後30日目から行われたMorris Water Maze Testにおいて、訓練五日目で逃避台に辿りつく時間(escape latency)は、高濃度1群の方は、vehicle 群より短縮傾向が見られたが、有意差はなかった。これらの結果から、gRb1を含む紅蔘末の経口投与はMTBIモデルマウスの自発運動亢進を有意に抑止し、空間認知障害を改善する可能性があることが判明した。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K09395
- 体系的課題番号 : JP19K09395