MISC

2017年12月

腟断端部からのドレナージが有効であった術後難治性乳糜腹水の一例

新潟産科婦人科学会会誌
  • 加嶋 克則
  • ,
  • 関塚 智之
  • ,
  • 甲田 有嘉子
  • ,
  • 佐藤 ひとみ
  • ,
  • 鈴木 美奈
  • ,
  • 本多 啓輔
  • ,
  • 風間 芳樹

112
2
開始ページ
77
終了ページ
79
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
新潟産科婦人科学会

55歳(3経産)。卵巣癌の疑いで紹介受診し、画像検査で両側卵巣腫瘍、左腎静脈直下の傍大動脈リンパ節腫大と大網多発播種病変を認めた。卵巣癌III期の診断で両側付属器摘出術+子宮全摘術+部分大網切除術+骨盤・傍大動脈リンパ節郭清術+右半結腸切除術を行ったが、術後14日目に乳糜腹水を認めた。乳糜腹水は保存的治療によって一時改善したが、術後化学療法2コース後に再貯留を認め、術後36日目に腟断端部が自然離開して乳糜腹水が流出したため、経腟的ドレナージを開始し、絶食、中心静脈栄養、オクトレオチドを併用した。その結果、腟断端部からの乳糜腹水の流出は激減し、術後50日目に食事を再開したが、乳糜腹水の再貯留は認めなかった。

ID情報
  • ISSN : 2186-6244
  • 医中誌Web ID : 2018192957

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