共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

睡眠時無呼吸の前兆予測を目的とした3次元いびき生成モデルの構築と音響解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K12227
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

本研究では,睡眠時無呼吸症候群(SAS)の代表的な症状である「いびき」に着目し,いびきの音響特性から無呼吸の前兆を予測する工学的手法の構築を目的とする.いびきは同一人物であっても一晩の間でいびきは多様に変化し,無呼吸の前兆を示すようないびきの音響特性は未だ十分に明らかになっていない.本研究では,上気道の立体模型を3次元プリンタにより構築し,いびきを発生させる音響実験を様々な生理条件を模擬した環境下で行い,無呼吸の前兆を示す上気道の狭小化といびきの音響特徴との関連性を明らかにする.
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今年度は昨年度に引き続き上気道モデルを構築した.昨年度使用したNICTの数値人体データベースは2mmメッシュであるため,実際の形状を考慮するとかなり粗い.したがって,今年はより精緻なモデルの製作を目的として,医療用の口腔・鼻腔部の人体模型を購入し,この形状を参考にモデルを構築した.舌部に相当する箇所を先ずは油粘土で造形し,それをシリコンによる型取りした後,人体と同程度の軟らかさを有する軟質ウレタン樹脂を流し込んだ.舌以外の部分は3DCADソフトウェアで簡易モデルとして設計し,それを3Dプリンタを用いてPLA樹脂による硬質な部位として製作した.
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しかし,結果としていびきに相当する舌部の振動はなかなか発生せず,モデルのどこかに根本的な誤りがあると判断した.研究協力者に意見を求める予定であったが,新型コロナウィルス感染者の対応に追われ協力を得ることが難しい状況下にあるので,現在はSAS患者のMRIを見比べながらモデルの見直しを行っている.

ID情報
  • 課題番号 : 19K12227