共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

1945年を境界とする朝鮮と日本の「新地方主義」文学運動と「長篇叙事詩」の成立

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
21K00453
体系的課題番号
JP21K00453
配分額
(総額)
3,640,000円
(直接経費)
2,800,000円
(間接経費)
840,000円

本研究の目的は、新潟の詩人、浅井十三郎(本名:關矢與三郎 1908-56)が戦前・戦後を通じて刊行した詩誌『詩と詩人』(1939-57 通巻112号)および、敗戦後の焦土でいち早く発刊された『現代詩』(1946-50 通巻37号)の検討を通じて、同時期の朝鮮半島の詩人および文学運動とのつながりを明らかにすることである。両誌には、戦後日本の詩壇を牽引した詩人たち(『荒地』の鮎川信夫、『列島』の長谷川龍生、等)が寄稿しているが、現代日本詩史からは忘却された(河邨文一郎『わが交友録』まんてん社、1978年)。同じく忘却された「外地」の文学運動との具体的な連関を復元するにあたり、特に、1940年代前半期の朝鮮半島で唯一、発行を許可された月刊文芸誌『国民文学』(1941-45 通巻39号)誌の編集者・詩人・翻訳者であった金鍾漢(1914-44)と、新潟県北魚沼郡広瀬村に生きた浅井がともに主張した「新地方主義」に着目した。併せて、金鍾漢が提唱した「史詩」という形式を、戦前の民衆詩派および『現代詩』誌上で展開された「長編叙事詩運動」との関りから考察した。金鍾漢については、『蝋人形』(西條八十主宰)および金が在学した日本大学専門部芸術科発行『藝術科』の調査により、2005年に刊行した『金鍾漢全集』(緑蔭書房)未収録作品のうち8編を追加した。『詩と詩人』についても、リーフレットの形態で発行された92集(第12巻3号 1950年5月 A4・4頁)、および付録の「詩と詩人通信」改題「氷河期」4号の発行を確認した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K00453
ID情報
  • 課題番号 : 21K00453
  • 体系的課題番号 : JP21K00453