論文

査読有り
2021年7月

認知症および認知機能低下を有する入院・入所高齢者への身体拘束減少のための介入の有効性 システマティックレビューとメタアナリシス

老年看護学
  • 坂井 志麻
  • 河田 萌生
  • 亀井 智子
  • 富岡 斉実
  • 金盛 琢也
  • 川上 千春
  • 菅原 峰子
  • 阿部 慈美
  • 黒河内 仙奈
  • 鈴木 みずえ
  • 綿貫 成明
  • 2018〜2019年度日本老年看護学会研究・教育活動推進委員会
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26
1
開始ページ
44
終了ページ
58
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本老年看護学会

【目的】認知症および認知機能低下を有する入院・入所高齢者への身体拘束減少に有効な介入プログラムについてシステマティックレビューとメタアナリシスにより評価する。【方法】The Cochrane Handbookの手法により、系統的レビューを行った。文献の適格基準は、(1)入院・入所中の65歳以上の認知症等高齢者を対象、(2)身体拘束をアウトカム指標に含む、(3)ランダム化比較試験とした。メタアナリシスには、Review Manager 5を用い、変量効果モデルによるリスク比(RR)を算出し、異質性はI2統計量により評価した。【結果】14文献が選定され、そのうちスタッフ教育による身体拘束の減少を報告した文献が4件あった。スタッフ教育の内容は、ケアの理念、せん妄予防、拘束帯使用の意思決定、拘束代替案、認知症ケアや入所者との相互作用の強化であり、時間数は30分〜16時間と幅があった。メタアナリシスでは6文献、1,355人分を統合したが、身体拘束の実施者数に差は認められず(RR=0.88;95%Confidence Interval=0.72-1.08;I2=70%)、盲検化、および症例減少バイアスを認めた。【結論】高齢者ケア施設に勤務するスタッフへの教育は、入院・入所高齢者の身体拘束の減少に定性的評価では有効である可能性が示唆されたが、メタアナリシスでは統計学的有意差がみられず、エビデンスは限定的である。(著者抄録)

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ID情報
  • ISSN : 1346-9665
  • 医中誌Web ID : 2021320944

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