共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

嫌色素性腎細胞癌の臨床病理・分子統合的新規グレード分類の提案と治療戦略への展開

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K07404
体系的課題番号
JP20K07404
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

1) 本研究開始前に我々は組織学的壊死と肉腫様分化の存在に基づく新規2段階式病理学的グレード分類を提唱した (Ohashi R et al. Virch Arch, 2020)。最近Avulovaらにより核の密集、核異型、壊死、肉腫様分化を指標とした4段階グレード分類が提唱された (Avulova S et al. Eur Urol, 2021)。そこで我々は自験例245例を用いてこの4段階分類の再現性を検討したところ単変量解析で予後につき分離不良で、我々の提唱した2段階式分類の方が有用である結果を得た。ただし症例数不足により多変量解析が行えず十分な事象の証明ができなかったので原著でなくLetter to the editorによる中間報告とした (Ohashi R et al. Eur Urol. 2021)。
2) 最近、嫌色素性腎細胞癌と病理像や遺伝子学的特徴が酷似しTSC pathwayに変異を有する腫瘍群を嫌色素性腎細胞癌から分けた暫定組織型が提唱されつつある。国際的動向として、嫌色素性腎細胞癌の新たな診断基準が求められる時期に来ているといえる。そこで嫌色素性腎細胞癌と暫定組織型その他鑑別診断に関する原著1本総説4本を発表した (Pathology 2021;53:101-108, Pathologe 2021;42:551-559, Biomedicines 2021;9:1418, Pol J Pathol 2021;72:197-199, Biomedicines 2022;10:322)。さらに、これまでの研究成果により腎腫瘍組織型の国際分類であるWHO分類第5版の執筆委員に選定され2022年3月にオンライン版が公開された。嫌色素性腎細胞癌と暫定組織型に相当する日本人症例の臨床病理学的検討・コピー数解析を行い、臨床病理学的差異の有無について検討を進めている。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K07404
ID情報
  • 課題番号 : 20K07404
  • 体系的課題番号 : JP20K07404

この研究課題の成果一覧

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