上北 朋子

J-GLOBALへ         更新日: 18/11/20 03:35
 
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研究者氏名
上北 朋子
所属
京都橘大学
部署
健康科学部心理学科
職名
准教授

学歴

 
2000年4月
 - 
2006年3月
同志社大学大学院 文学研究科 心理学専攻
 

論文

 
[執筆者]上北朋子《(ファーストオーサー)》、岡市広成
心理学研究   第73巻(第1号) 51-57   2002年4月   [査読有り]
グルタミン酸NMDA受容体を阻害すると空間学習障害がおこることが報告されてきた。本研究では、ラットの水迷路学習においてNMDA受容体の阻害が環境の空間表象の形成を妨げるかを検討した。投与以前に水迷路場面を経験することにより、後の水迷路学習においてNMDA阻害効果が緩和されたことから、NMDA受容体が空間学習に関与するものの、どのような場面でその機能が必要とされるかについて、新たな疑問を提示した。
[執筆者]上北朋子《(ファーストオーサー)》、岡市広成
Behavioral Neuroscience   Vol.119 548-556   2005年4月   [査読有り]
ラットの空間弁別学習におけるNMDA受容体の機能を環境と課題の経験を操作した3つの実験により検討した。NMDA受容体の学習阻害効果は課題の経験要因ではなく,環境の経験要因に依存して出現した。この結果より著者はNMDA受容体の機能が空間表象の形成に必要であるが,既に形成された表象の利用や課題の手続きの学習には関与しないことを主張した。
Dissociation of the roles of NMDA receptor and hippocampus in rats’ spatial learning: The effects of environmental familiarity and task familiarity(ラットの空間学習におけるNMDA受容体と海馬の役割の分離:環境に対する馴染と課題に対する馴染)
[執筆者]上北朋子《(ファーストオーサー)》、岡市洋子、岡市広成
Reviews in the Neurosciences   Vol.17 163-173   2006年3月   [査読有り]
ラットのMorris型水迷路課題の遂行に及ぼすNMDA受容体阻害と海馬損傷の効果を比較した。NDMA受容体の阻害は新奇環境での水迷路課題の遂行を妨げたが馴染環境では妨げないことから、NMDA受容体の機能が空間表象の形成に関与するが利用には関与しないことを示した。一方、海馬損傷は新奇環境と馴染環境の両方で著しい遂行障害をもたらしたことから、海馬の機能は空間表象の形成と利用の両方に必要であると主張した。
[執筆者]上北朋子《(ファーストオーサー)》、岡市広成
Behavioral Neuroscience   Vol.123 520-526   2009年4月   [査読有り]
NMDA受容体阻害薬AP5の海馬内慢性投与が新しい空間表象の獲得を妨げるかどうかを調べた研究である。これまでの研究では、薬物の腹腔内投与を行っており、海馬NMDA受容体の機能を海馬以外への薬物の効果と分離して検討することができなかった。本研究で、AP5海馬内投与による海馬NMDA受容体阻害が、MK-801腹腔内投与による障害と一致したことから、空間表象の形成が海馬NMDA受容体の機能により実現されることを明確に示すことができた。
[執筆者]上北朋子《(ファーストオーサー)》、岡ノ谷一夫
Behavioral Brain Research   Vol219 302-309   2011年6月   [査読有り]
齧歯類の空間認知における海馬の役割は充分に検討されてきた。しかし、社会認知に関する海馬の役割については研究者間で一致していない。本研究では、南米に生息するデグーの社会認知および物体認知における海馬の役割を検討した。デグーの海馬損傷は、物体の配置についての空間認知障害を引き起こしたが、物体に対する馴化や新奇物体の検出には影響しなかった。これらの結果より、デグーの海馬は社会行動場面での他者認知に関与し、物体探索場面において物体認知ではなく空間認知に関与することが明らかになった。

Misc

 
インタビュー:岡市廣成先生に聞く
岡市廣成、上北朋子
66(1) 77-83   2016年6月   [依頼有り]
本稿は、同志社大学名誉教授の岡市廣成先生の海馬研究の道のりについてインタビュー形式で紹介したものである。海馬認知地図仮説と海馬作業記憶仮説の検証実験に取り組まれた留学生活や同志社大学での研究指導や動物心理学の社会的意義についてのお話を紹介した。

書籍等出版物

 
心理学実験ノート
[執筆者]磯博行、上北朋子、他6名 (担当:共著)
二瓶社   2004年4月   
心理学に限らず医学、薬理学、周辺領域の演習において基礎的な心理実験を経験し、レポートを仕上げるまで指導できるようにした手引きである。担当章では、げっ歯類の認知機能の測定に広く使用されているMorris型水迷路課題の実験手続きを解説した。[執筆章]マウスの水迷路学習
《総頁4》
心理学概論(初版)
[執筆者]山内弘継、橋本宰、上北朋子、他52名 (担当:共著)
ナカニシヤ出版   2006年6月   
行動の生理的基礎、感覚・知覚、学習、記憶、動機づけなど、心理学研究の「基礎的な側面」と「応用的な側面」の両面の知識を解説。担当トピックでは神経細胞レベルでの記憶現象である長期増強と学習・記憶の関わりについて明らかにした電気生理研究および薬理学研究を紹介した。[執筆章]記憶はどこに貯えられるのか
《総頁3》
比較海馬学
[執筆者]渡辺茂、岡市広成、Colin Lever、上北朋子、他23名 (担当:共著)
ナカニシヤ出版   2008年2月   
環境の変化に対するラットの行動および海馬の細胞の反応性に関するLever氏の講演を解説を交えて紹介した。これまで、ラットが環境のある地点にやってくると発火する「場所細胞」の存在が報告されてきたが、その成立プロセスは明らかでなかった。細胞発火を長期間記録することにより、細胞は瞬時にではなく、徐々に環境表象を作っていくことを明らかにしたLever氏の最新の研究を概説した。[執筆章]環境認知
《総頁11》
脳科学辞典「迷路」
上北朋子、担当編集委員:入來 篤史
2012年11月   
迷路は動物の空間や場所に関する学習能力や、これを支える記憶を測定するための装置である。主にげっ歯類(ラットやマウス)を対象とした行動神経科学、生理心理学の実験、および遺伝子改変動物の行動評価に用いられる。様々な迷路実験の手続きや測定される行動および心理機能について解説した。 http://bsd.neuroinf.jp/wiki/迷路
脳科学辞典 「物体探索」
上北朋子、担当編集委員:入來篤史
2013年7月   
動物の物体探索行動やそれに関わる神経基盤について概説した。子どもの物体認知とその発達についても解説した。 2013/7/2
http://bsd.neuroinf.jp/wiki/物体探索

講演・口頭発表等

 
デグーの活動量と記憶に及ぼす加齢の影響
上北朋子,八木弘一、坂本敏郎
関西心理学会第130回大会   2018年10月   甲南大学
老齢デグー(70ヶ月齢)と若齢デグー(18ヶ月齢)の活動量、物体記憶を比較した。老齢デグーでは立ち上がり動作の減少がみられ環境探索が十分に行えない可能性が残った。また、老齢デグーにおいて、3時間の遅延を挿入するとき物体記憶の悪化がみられた。遅延の負荷がかかるときに、加齢の影響が表れることがあきらかになった。
マウスの社会的認知機能における前部帯状皮質の役割
八島成維、上北朋子、坂本敏郎
関西心理学会第130回大会   2018年10月   
本研究ではACCの損傷が,マウスの社会的認知機能と不安情動性に及ぼす影響を検討した。ACC損傷マウスが馴染マウスに馴化を示し、社会的選好テストにおいても繰り返し提示される新奇マウスに対して馴化を示したことから、ACCは短期の社会的記憶には関与しないと考えられる。一方で、異なる新奇マウスへの探索量は、3試行とも統制マウスよりも長いことから、ACCが新奇な社会的刺激への探索行動を抑制していると考えられた。
デグーの母子分離経験が離乳前後の情動性に及ぼす影響
日本心理学会第82回大会   2018年9月   
先行研究において、デグーは養育者に選択的な愛着を形成し、社会的孤立に対する感受性が高いことが示されている。本研究では、情動的側面に注目し、生後2週齢以前の隔離操作が、母親識別が可能になる離乳前後の不安強度にどのように影響するかについて検討した。その結果、隔離群ではゼロ迷路での区画移動頻度が高く、不安傾向が高まる可能性が示された。
マウスにおける離乳後の社会的孤立が情動・社会・認知的行動に及ぼす影響
坂本敏郎, 上北朋子,高木琴美,木村美咲
2018年8月   
幼少期の社会的孤立は、その後の発達に様々な影響を与えると考えられる。マウスにおいて離乳期である21日齢から3週間ないし6週間の社会的孤立を行ったところ、仲間でないマウスへの接触頻度が減少することが分かった。情動テストとの結果には隔離の効果がなかった。これらの結果を報告した。
デグーの前頭葉損傷が社会行動に及ぼす影響
上北朋子
第77回動物心理学会   2017年8月   
イボテン酸微量注入によりデグーの前頭葉を破壊し、社会行動に及ぼす影響を検討した。同ケージの損傷群/統制群同士、または各群の個体と面識のない新奇個体をペアリングし、お互い5分間探索させた。また、対象課題として物体探索課題を実施し、前頭葉が社会行動以外に空間認知や物体認知に関与するかを検討した。前頭葉損傷は社会相互作用には影響を与えず、空間認知を妨げたことを示した。

競争的資金等の研究課題

 
研究費 他者理解の発達と神経基盤:齧歯類と乳児を対象として
日本学術振興会: 基盤研究©
研究期間: 2014年6月   
2014年4月1日~2017年3月31日(予定)
研究費 「場面に適した行動選択の神経基盤:社会性齧歯類デグーを対象として」
日本学術振興会: 2011-2013年度科学研究費補助金挑戦的萌芽研究
研究期間: 2011年6月   
研究費 系列行動の自動化プロセス:齧歯類デグーでの検討
日本学術振興会: 2009年度~2010年度 若手研究(B)
研究期間: 2009年6月   
研究費 順序と位置の学習を担う神経基盤:齧歯類デグーでの検討
日本学術振興会: 2007年度~2008年度 若手研究(B)
研究期間: 2007年6月 - 2009年3月