2006年
胎盤と子宮などにおけるNO産生の意義とNOS遺伝子発現調節機構 : 妊娠中期胎盤におけるNOの役割
麻布大学雑誌
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- 巻
- 13
- 号
- 開始ページ
- 141
- 終了ページ
- 143
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 麻布大学
妊娠の維持と調節機構にNOが重要な役割を有していることが示唆されているが,NOは不安定なフリーラジカルであるため,解析が困難であった。近年,ジチオカルバメート鉄錯体であるFe-DTCS(Fe-N-(dithiocarboxy)-sarcosine)を用いて,不安定なNOを安定なNO-Fe-DTCS錯体にトラップした後,電子常磁性共鳴吸収(electron paramagnetic resonance: EPR)装置により解析することにより,NO産生を検出し,定量化できることが報告されている。本研究では,このスピントラップ-EPR法により妊娠ラットを用いて,妊娠中期に発現がピークを示す胎盤におけるNO産生の役割を検討した。NOS阻害剤L-NAMEを用いて,一時的にNO産生を抑制したモデルを作製したところ,NO産生の低下とともに血管新生の主要因子であるVEGFの発現が抑制されたが,その後徐々に回復した。この結果は,胎盤において産生されているNOはVEGFの発現を誘導している可能性を示唆している。
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 1346-5880
- CiNii Articles ID : 110006391504
- CiNii Books ID : AA11561468